今後の製造業の発展に向けて必要不可欠とみられているIoT(モノのインターネット)。本連載では、IoTの現在地を確認するとともに、産業別のIoT活用の方向性を提示していく。自動運転技術やコネクテッドカーによってIoT化していく自動車では、ADAS(先進運転支援システム)の進化により、オートモーティブセンサー市場が急拡大している。
近年、自動車へのエレクトロニクス導入のスピードは大幅に引き上げられている。しかも、そのスピードは年々増しているようである。こうした状況によって、IHSでも、予測する度に需要予測を引き上げる必要にかられている。
IHSでは、自動車向け半導体市場は2015〜2020年の年平均で5.8%の成長を予想している。2016年には324億米ドルであった市場は、2020年には400億米ドルを超えると見ている。
将来の自動車にイノベーションを起こすのが、以下の3大電子技術であるとIHSでは予想しており、同時に自動車用半導体市場も著しい成長をもたらすと期待を寄せている。
特にADAS分野の成長は著しく、同分野の自動車用半導体市場は2015〜2020年の年平均で20%超えの驚異的な成長ペースを維持するとIHSでは見ている。このADAS分野で最も重要なデバイスの1つがカメラ/イメージセンサーである。
IHSでは、世界の自動車販売台数は2020年に1億台を超えると予想しているが(図1)、自動車向けカメラ出荷台数も2020年には1億個を超えると予想している。業界からの多くのフィードバックによって自動車向けカメラ出荷の予測を引き上げ、これによって自動車へのカメラ投入率が携帯電話機/スマートフォンの実績をもしのぐスピードになるという結論に至った。
自動車には安全や制御、情報収集に至るさまざまな用途のカメラが搭載され、将来は携帯電話機に次ぐマーケットに成長するとIHSでは見ている。そして、自動車メーカーがADASの先に見据えるのは自動運転技術である。
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