NECは、「CeBIT 2017」において、動画に対してリアルタイムで高精度に顔認証できる技術を披露した。米国国立標準技術研究所(NIST)の動画顔認証技術のベンチマークテスト(FIVE)で第1位を獲得した技術である。
NECは、国際情報通信技術見本市「CeBIT 2017」(2017年3月20〜24日、ドイツ・ハノーバー)において、動画に対してリアルタイムで高精度に顔認証できる技術を披露した。米国国立標準技術研究所(NIST)の動画顔認証技術のベンチマークテスト(FIVE)で第1位を獲得した技術である。
NECの動画顔認証技術の展示。画面の右側にいる説明員は、データベースに登録されているので名前付きで紫色にハイライトされている(名前の表示は編集部で加工)。左側の説明員は、データベースに登録されていない(ことになっている)ので名前はなく黄色にハイライトされている(クリックで拡大)NECの顔認証技術は高い評価を得ているが、客観的評価となっているのがNISTのベンチマークテスト結果だ。2009年、2010年、2013年に開催された3回は、静止画の顔認証技術を競うベンチマークテストだったが、NECは3回連続で第1位になっている。2016年は動画の顔認証技術となったが、今回も第1位を獲得し、4回連続となった。
テスト内容は「空港の乗客ゲートにおける入退管理」と「屋内競技場における不審者検知」の2種類。「空港の乗客ゲートにおける入退管理」は、認証対象の顔の向きが基本的にカメラ側に向いている「良好な環境下」であり。「屋内競技場における不審者検知」は、認証対象がカメラから遠い位置にいて、カメラ側に顔を向けているとは限らない「悪環境下」となる。
NECは「空港の乗客ゲートにおける入退管理」で、照合精度99.2%、エラー率0.8%を記録。第2位のエラー率3.6%なので、これはNECの4倍以上になる。「屋内競技場における不審者検知」は照合精度85.4%、エラー率14.6%でこれも1位だった。第2位と比べると、エラー率は半分以下だったという。
今回の動画顔認証技術では、動画の中にある50〜60人の顔を一度に検出できるようにFPGAボードを用いている。また、遠い場所にいる=解像度が低い、顔の向きが正面ではない、顔の一部が隠れている、という状態でも高精度に認証できるようにディープラーニング技術も活用したという。
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