NECは、研究開発拠点を集積する玉川事業場において、人工知能(AI)やICT(情報通信技術)、セキュリティなどを中核とする研究開発戦略について説明。「実世界理解に基づく社会ソリューション向けAIで、ダントツをリードしたい」(同社の中央研究所担当の執行役員を務める西原基夫氏)という。
NECは2016年12月16日、研究開発拠点を集積する玉川事業場(川崎市中原区)において、人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)、セキュリティなどを中核とする研究開発戦略について説明した。
2016年4月に中央研究所担当の執行役員に就任した西原基夫氏は「基本方針は、前任の江村(克己氏、現在は取締役 執行役員常務 兼CTO)のときと変わらず、将来技術ビジョン、No.1コア技術強化、骨太ソリューション領域集中という3軸の競争優位を追求していく。この基本法方針を基に、将来技術ビジョンの検討、グローバル拠点拡充、オープンイノベーション、人材マネジメントという4つの施策を進めていく」と語る。
施策の1つ目である将来技術ビジョンの検討では、「実世界を理解するセンシング」「人の治世をアシストするAI」「脳に倣うコンピューティング」「エッジに広がるクラウド」「IT・人・モノの全体のセキュリティ」という将来事業を支える5つの技術進化軸を策定した。それぞれについてロードマップも決めた。
2つ目のグローバル拠点拡充では、国内外で拠点を新設、強化、再編しており、人材の増員も進めている。オープンイノベーションの司令塔となる「価値共創センター」を設置した上で、国内研究所は技術領域ごとに再編。セキュリティ研究所とシンガポール研究所は、骨太ソリューションの創出が可能になるよう強化した。加えて、世界各地に分室を設置している。先進顧客が存在する地域はソリューション分室を、イノベーションが起きる場所には研究分室を設置している。「研究開発はただ技術を生み出すだけでなく、1ランクアップする価値向上が可能だったり、抜本的な変化をもたらしたりするようなソリューション創出も必要だ。当社では、コア技術強化と骨太ソリューション創出、それぞれに長けた人材を振り分け、連携しながら活動を進めている」(西原氏)という。
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