「欧米系のCADは日本人に向かない」などと考える人もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。ソリッドワークスでは、次期開発バージョンに対するユーザーによる評価が実施されています。
日本でもつい最近、「SOLIDWORKS 2017 β」のオンプレミスイベントが、東京と大阪で開催され、アメリカのソリッドワークスよりエンジニアも来日しました。ここでは、ユーザーが次期開発バージョンを実際に操作することで検証を行うことが可能です。また検証後、新機能の問題や改善要望などについて開発者と直接話すことが可能です。
「ユーザーによるバグ出し」などという人もいるようですが、私は全くそう思いません。むしろ、ユーザーにとっては直接開発者の意見を聞ける、また先行的なメリットがあるものだと確信しています。
また、ソリッドワークスでは、毎年開催するSOLIDWORKS WORLDに向けて、エンハンスドリクエストTOP10が作られていきます。これはユーザーたちが機能改善要求を出し、集まった項目に対してWeb上でユーザーによる投票が行われます。この投票では、賛成票はプラスに、反対票はマイナスに評価され、ポイント数上位10位の要求がTOP10リストとしてSOLIDWORKS WORLDの会場で発表されます。
β評価で話された内容、機能改善要求TOP10リスト化された内容が、必ずしも実装されるわけではありません。しかし日本ユーザーの意見をアメリカの開発元に確実に届けることが可能で、それらの一部がかなえられたという実感が私にはあります。
3D CADの機能拡張がされている中、3Dから2D図面を作成する機能が充実していっているのも、日本人ユーザーの声が届いている一例だと思います。
また製品によっては、日本のユーザー会が組織されています。ユーザー会から開発元に対して、意見を発信していくことも可能でしょう。
日本国産の3D CADも継続的な開発を頑張っていってほしいです。国産CADであるiCAD SXも、拡販部の方々がユーザーを直接訪問して、意見交換が出来る機会を作ってくれています。私も拡販部の方々とのお話をさせていただいています。ユーザー自身のコミュニティーも自主的に立ち上がっているようですので、更に今後に期待といったところになります。
私も長野県で、教育機関と共に企業間、教育機関、開発元、販売会社相互のコミュニティーを立ち上げ計画中です。そのうち皆さんにもご案内できるかと思います。
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