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» 2015年11月20日 10時00分 公開

続・設計現場目線で3Dデータ活用を考える3D設計推進者の眼(4)(4/4 ページ)

[土橋美博/飯沼ゲージ製作所,MONOist]
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筆者が抱える課題

 DR前に設計プロセスの3D詳細設計データの全てを社内に公開できれば、より効果的です。私自身もこれを目指していますが、経験上、開発設計計画で決めたDR期日前に、他部門が事前検証できるようなタイミングでこれらを公開することは容易ではありません。むしろ難しい状況です。詳細設計はDRのギリギリまで行っているという状況なので、DR前の事前公開率は必ずしも高くはない状況です。これをどう改善していくかが問題です。

 もともと妥当性があると思われる設計工数を見積もりしているので、レビューの計画さえ間違えなければ事前公開も可能となるはずですが……。

 この問題に対して私が課題としたのは「重要度」の判定でした。初めて採用する新技術のリスク、仕様変更要求に基づく設計変更点のリスクなどを検討することで、その重要性と検証方法、妥当性確認といったものを検討して数値化し、その数値に応じて重要性、優先順位を決めて、計画的なレビューを実施しています。ただ「リスクをどう発見するか」は現在も継続課題となっています。

 また検証方法も、3D CADデータによるCAEだけではありません。実験や実機要素を用いたものも必要です。妥当性検証については、CAEの精度を上げていくためにも、実機による計測などの評価が必要になります。しかし装置完成を目指して組み立てに追われる現場で、顧客に報告するための計測の他に、CAEのための計測も行うことは簡単ではありません。

 現状では、設計審査としてのDR時点、またそれ以降での3Dデータ活用にとどまっています。ですが「設計品質を向上させる」「問題を後送りしない」という視点においてもTPDを推進するべきであり、それをつなげているのは3D CADデータ、3Dデータだと私は考えます。

Profile

土橋美博(どばし・よしひろ)

1964年生まれ。25年間、半導体組み立て関連装置メーカーで設計・営業・3次元CAD推進を行う。現在、液晶パネル製造装置を主体に手掛ける株式会社飯沼ゲージ製作所で3次元CADを中心としたデジタルプロセスエンジニアリングの構築を推進する。ソリッドワークス・ジャパンユーザーグループ(SWJUG)の副代表リーダー・事務局も務める。



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