今回発表された新材料は、既にブリヂストンが2014年3月から販売しているエコタイヤ「ECOPIA EX20」などに採用されている。会見に登壇したブリヂストン タイヤ材料開発第1本部長の草野智弘氏はその性能について「EX20は従来製品の『EX10』と比べてシリカの配合量が大幅に増加したことで、ウェットグリップ性能が約12%向上した」と語った。
さらに草野氏は12%という数字について、「共同開発した新しい分散剤を使うことで、発熱性能が飛躍的に向上する。EX20の場合はこれにより生まれたマージンを、ウェットグリップ性能を高める方向に利用している。そのため、12%の性能向上につながった」としている。
また、草野氏は新材料を用いた今後の製品開発の方向性について、「シリカの分散性が高まるとゴムの粘度が下がるため、扱いやすくなる。こうした材料としての扱いやすさや発熱性能の高さといったメリットを生かして、いかに他社と差別化した製品を開発するかが重要になる。今後はこの新材料を、耐久性が求められるトラックや建設・鉱山車両のタイヤにも活用していく方針」と語った。
ブリヂストンと花王は今回発表した新材料の共同開発を2012年から行っており、既にグローバルに生産する体制も整えているという。また、両社は今後もお互いの技術を活用した共同開発を続けていく方針を示した。
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