燃費が良くなるタイヤの新材料、ブリヂストンと花王が共同開発タイヤ技術(3/4 ページ)

» 2014年11月20日 08時00分 公開
[陰山遼将,MONOist]

分子レベルでタイヤを作る「ナノプロ・テック」

 ブリヂストンは、ポリマーと混ぜ合わせるシリカなどの充てん剤の配列を、分子レベルで制御することでタイヤの性能を向上させる独自技術、ナノプロ・テックの開発と改良を進めてきた。自動車に取り付けられているタイヤは走行中、さまざまな圧力を受けてつぶれたりたわんだりする。その際、充てん剤同士がぶつかりあうと熱が発生してしまい、自動車の走行に使われるべきエネルギーの一部が失われてしまう。


「ナノプロ・テック」の概要(クリックで拡大)出典:ブリヂストン

 ブリヂストンのナノプロ・テックは、ポリマーの末端に反応性官能基を付加することでシリカとポリマーの親和性を高めて、ポリマー内におけるシリカの分散と配置を最適化する技術だ。これにより、シリカ同士がぶつかりあうことがなくなるため、熱の発生によるエネルギーのロスを軽減できる。このナノプロ・テックと、今回花王と共同開発した、ポリマーに多量のシリカを配合させられる分散剤を組み合わせたことで、自動車用タイヤの機能をより高められるゴム材料を実現できた。

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