ファナックは「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」において、最新のCNCシステム(CNCシリーズ、サーボモータ)、ロボット、ロボットマシン(小型マシニングセンター、超精密ナノ加工機)などを披露した。
ファナックは「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」(2014年10月30〜11月4日、東京ビッグサイト)において、最新のCNCシステム(CNCシリーズ、サーボモータ)、ロボット、ロボットマシン(小型マシニングセンター、超精密ナノ加工機)などを披露した。
CNCでは世界的に実績のある「Series 0i」シリーズの最新モデル「0i-MODEL F」を市場投入している。新モデルは上位機種「30i」シリーズと同一のコンセプトのもとに開発された。30iシリーズと共通の操作性を持ち、このクラスとしては初めて15型サイズの表示器にも対応した。昨今重要性を増してきたFA用ネットワークに対して同シリーズと同様に幅広く対応が可能だ。
また、機械のシーケンス制御を担うPMC機能も共通の仕様とした。保守機能についても同シリーズの最先端の稼働率向上技術を取り込んだ。CNCと接続してモーターを駆動するサーボアンプについては「MODEL F」に光ケーブル一本で接続可能な一体型サーボアンプ「βiSVSP-B」シリーズを開発している。ファナックではMODEL Fの投入で上位機種とのシームレス化を推進。汎用機から複合機、5軸加工機までを操作性、保守性などまでさまざまな点で互換性を保ちながら、それぞれの用途に適したCNCを提案している。
ロボットでは人と一緒に作業ができる緑色の協調ロボットを紹介した。従来産業用ロボットの使用に対しては、安全性の問題から定格出力が80Wを超えるものについては、安全柵の使用が必須となっていたが、2013年12月に規制が緩和され、安全性を確保できる何らかの処置が行われたロボットに対しては、人間と共同作業を行うことなどが可能となった。ファナックが出展した協調ロボットもこの背景から開発が進められたものだ。
協調ロボットは「ロボットのどこを触っても高感度に接触を検出し、ロボットを安全に止めることができる」「先端に取り付けたハンドルでロボットを自在に動かし、ロボットが持つ部品を意図するところに持っていくことができる」という2つの特徴を持つ。ぶつかった時に感知するセンサーの数やセンシングの方法については「秘密にさせていただいている」(ブース担当者)という。
またアーム表面に柔らかい素材を使い人に触れたりした時に柔らかい感触を与えることを実現した。同社では企業カラーとして黄色を採用しており同社製ロボットも黄色を採用するケースがほとんどだが、協調ロボットについては緑色を採用することで一般のロボットと区別する他、安全なイメージを表現できるようにしているという。
出展された協調ロボットはプロトタイプだが「製品化するものは今回のプロトタイプよりは大型のモノを企画している。現在安全認証なども申請中だ。組み立て製造ラインなど、人とともに活躍するような場面で利用することを想定している」(ブース担当者)と話している。
その他、ロボットでは、単調なワーク供給作業から作業者を解放するバラ積みロボット、シミュレーションソフト「ROBOGUIDE」でバリ取り箇所を指定するだけでバリ取り軌道を自動生成する知能化バリ取りロボットなども展示した。
また、ロボットマシンではロボドリル、ロボカット、ロボショット、ロボナノなどの各製品を展示。同社製品の特徴である「高い加工・成形性能」「使いやすさ」「高い稼働性」などを実演を通じて示した。このうちロボショット「α-SiA」シリーズは最新のCNCとサーボシステムを搭載した全電動射出成形機。型締力が15〜300トンまでの7機種をラインアップし、電子部品の精密成形、自動車部品の安定成形、容器のハイサイクル成形といった幅広い分野で高い成形性能を発揮する。
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