IDECが小型マルチユースミリ波レーダーセンサーにシリアル通信対応モデル追加:FAニュース
IDECは、無線設定の小型マルチユースミリ波レーダーセンサー「1A1M形」に、シリアル通信対応モデルとCAN通信対応モデルを追加した。静止物とわずかな動きのある物体を区別できる新機能を搭載する。
IDECは2025年1月6日、無線設定の小型マルチユースミリ波レーダーセンサー「1A1M形」に、シリアル通信(RS-485)対応モデル「1B21」「1B41」とCAN通信(CANopen、FD)対応モデル「1C21」「1C41」を追加したと発表した。アルプスアルパインとの合弁会社IDEC ALPS Technologiesが同日に販売を開始した。
小型マルチユースミリ波レーダーセンサーの新モデル 出所:IDEC
小型マルチユースミリ波レーダーセンサーは、高周波レーダー(同製品では60GHz)を照射することで、約10mの範囲で対象物の有無検知や対象物までの距離、対象物の反射強度を検出できる。省電力性と耐環境性に優れ、光学式センサーでは検知が難しい西日や降雨、降雪、水蒸気、粉じんが舞う環境下でも使用可能だ。
1B21と1B41はシリアル通信に対応することで、1A1M形をデイジーチェーン接続して複数台を同時に制御でき、省配線でのシステム構築が可能になる。1C21と1C41は、AGV(無人搬送車)やAMR(自律型搬送ロボット)、建設車両などでニーズが高いCAN通信に対応する。ホーンサイズは1B21と1C21が直径22mm、高感度モデルの1B41と1C41が直径40mmだ。
静止物とわずかな動きのある物体(例えばじっとしている人間)を区別できる「動体、静止物判別モード機能」を追加しており、駐車スペースでの車両有無検知に加え、物体が車か人なのかの判別(人ならキャンセル)も可能になる。購入済みの既存モデルへの新機能の無償アップグレードに対応する。
駐車スペースでの車両有無検知などが可能に[クリックで拡大] 出所:IDEC
⇒その他の「FAニュース」の記事はこちら
- スマート工場化は次段階へ、AI活用の定着とアプリケーション拡大に期待
スマート工場化の動きは着実に広がっている。その中で2022年はAIを活用した「アプリケーションの拡大」をポイントにデータ活用のさまざまな形が広がる見込みだ。
- スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。
- スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。
- エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。
- 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。
- 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.