CO2排出の94%はサプライチェーンの過程から発生!? ――NECがScope3基準の排出量発表製造ITニュース

NECはサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を報告する国際基準「Scope3 スタンダード」のもと、2013年3月期分のサプライチェーン全体のCO2排出量を発表した。

» 2013年07月04日 07時30分 公開
[三島一孝,MONOist]

 NECは、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を報告する国際基準「Scope3 スタンダード」(以下Scope3)に基づき、2013年3月期分のサプライチェーン全体のCO2排出量を発表。同社グループのサプライチェーン全体のCO2排出量を約814万トンとし、そのうち94%となる約765万トンが調達、生産、廃棄などサプライチェーン内の間接的活動(自社外の活動)で排出されたものであることを明らかにした。




 Scope3は、サプライチェーン全体のCO2排出量を対象にした基準のことだ。従来日本企業が取り組んできた「自社での燃料使用や工業プロセスによる直接排出」(Scope1)や「自社が購入した電気・熱の使用に伴う間接排出」(Scope2)に対し、販売した製品の仕様による排出や購入した製品による排出、事業から出る廃棄物の処理に必要になる排出などを加えた基準となる。

 NECでは、従来は「炭素統計」として自社のエネルギー使用や物流、紙の使用、従業員の出張によるCO2排出量や、ITソリューションの提供によるCO2削減貢献量について独自に集計していたが、さらなるCO2排出量の削減を推進するため、2013年3月期から初めてScope3での集計を行った。

2013年3月期のNECグループ全体のサプライチェーンまで含めたCO2排出量 2013年3月期のNECグループ全体のサプライチェーンまで含めたCO2排出量(クリックで拡大)

 集計の結果、サプライチェーン全体でのCO2排出量(約814万トン)のうち94%がScope3に相当し、中でもNECが販売した製品の使用段階での排出が全体の60%と最も多いことが明らかになった。

 NECでは、今後Scope3の集計結果に基づき、製品の使用段階での排出量削減に向け、製品のエネルギー効率を一層高める努力を続けるとともに、購入した製品・サービスなど他の比較的大きな排出量となるプロセスでの改善に着手し、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減に取り組んでいく方針だという。

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