ここでは、年間ランキングの結果に捉われず、編集担当である筆者が2012年に注目したトピックを紹介したいと思います。
そのトピックとは……、ずばり「何の役にも立たないロボット」です!
MONOistのサイト内に【ロボット特集】が存在するのをご存じでしょうか? 実は、組み込み開発分野の編集担当である筆者が、この1年、ひそかに(?)力を入れていたイチオシ特集なのです。この特集では、あらゆる技術の集大成といわれる「ロボット」をメインテーマに掲げ、産業、サービス、災害・レスキュー、生活支援・介護といったさまざまな分野で“活躍”するロボットの話題をお届けしてきました。
特に、東日本大震災の影響による東京電力・福島第一原子力発電所の事故以来、原子炉建屋内で調査・復旧作業を支援する、いわゆる「原発ロボット」に注目が集まりました。説明するまでもありませんが、このロボットの役目は、「人が立ち入れないような危険な場所で、人の代わりに調査や復旧作業などを行うこと」です。また、2012年は、ホンダやトヨタ自動車、村田製作所/幸和製作所、東海ゴム工業などから、高齢者や体の不自由な方向けの生活支援ロボットが相次いで発表されました。これら生活支援ロボットは、歩行や階段・坂道の上り下りの支援だけではなく、物を取ったり・拾ったり、車イスからベッドへの移動を手助けしてくれたりと、それぞれさまざまな特徴を持ち、人のために尽くしてくれます。
このように“人のために、人の代わりに、何かを実行してくれる”ロボットは、日本を取り巻く現状(高齢化や災害復旧など)も後押しし、急速に開発が進められている印象です。それは本当に素晴らしいことです。しかし、あえて筆者は、“何の役にも立たないロボット”を2012年の注目トピックに挙げたいと思います。
前述のような明確な“使命”はありませんが、見上げるほど巨大で、人が乗れて、操縦できるロボットが目の前に実在したらどうでしょう。ものすごくワクワクしませんか? 2012年、MONOist「組み込み開発」フォーラムでは、3体の“巨大ロボット”の話題を取り上げました。
1つは、年間記事ランキングTop10の第6位にランクインした、巨大二足歩行ロボット「はじめロボット43号機」。もう1つは先日、日本科学未来館で展示されたことでも記憶に新しい搭乗型巨大ロボット「クラタス(KURATAS)」。最後は、産業用機械の考案/設計/制作の仕事をしながら約11年(1997〜2008年)の歳月をかけて、たった1人で完成させたカブトムシ型巨大ロボット「カブトム RX-03」です。
ここで詳しくは語りません。各ロボットの紹介記事と以下の画像をご覧頂ければ、制作者たちの熱い思いが伝わってくることでしょう。
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