村田製作所と幸和製作所は、電動歩行アシストカー「KeePace(キーパス)」を共同開発した。倒立振子制御技術などが組み込まれた「アシスト制御システム」を進化させ、坂道での歩行サポートや旋回機能を強化している。
村田製作所と幸和製作所は2012年9月21日、高齢者や足腰の不自由な方向けの電動歩行アシストカー「KeePace(キーパス)」を共同開発したことを発表した。村田製作所の自転車型ロボット「ムラタセイサク君」や一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」で培われた“止まっても倒れない(不倒停止)技術”が生かされているという。
KeePaceは、村田製作所が「CEATEC JAPAN 2011」(2011年10月開催)に出展した際に披露した、電動歩行アシストカーのコンセプトモデルがベースとなっている。このたび、高齢者や足腰の不自由な方向けのソリューションとして、その完成度を高めるべく、国内のシルバーカーシェア50%を占める福祉用具の総合メーカー、幸和製作所と協業し、共同開発を行った。
KeePaceは、村田製作所のMEMSジャイロセンサーや傾斜センサー、およびそれらセンサーを用いた倒立振子制御技術などが組み込まれた「アシスト制御システム」を進化させたことで、坂道での歩行サポートや旋回機能を強化している。さらに、駆動機構や制御機器の設計を見直し、最適化したことで、小型化にも成功している。
KeePaceのカラーバリエーションは、ブラックとオレンジの2色。サイズは、ブラックが400×250×950mm、オレンジが400×250×850mm。ブラックモデルの方が、100mm程高い。重さは約10kgとのことだ。
今回の発表を受け、村田製作所 取締役常務執行役員 技術・事業開発本部 本部長の家木英治氏は次のようにコメントを寄せる。
「2005年に企業・技術PRロボットとして開発した「ムラタセイサク君」の“止まっても倒れない技術”が、福祉用具のトップメーカー、幸和製作所さまとの協業により、ご高齢者の方々のお役に立てるソリューションとしてご提供に一歩近づきました。介護・福祉機器におけるエレクトロニクス化は、まだまだ拡大の余地があると考えます。当社が現在注力しているヘルスケア分野の先進事例として、市場投入を急ぎたいと考えています」(プレスリリースより抜粋)。
なお、9月26日より東京ビッグサイトで開催される「第39回 国際福祉機器展」の幸和製作所ブース、および10月2日より幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2012」の村田製作所ブースにてKeePaceの展示が予定されている。さらに、10月10日より独デュッセルドルフで開催される「REHACARE 2012」ではノルウェーの福祉機器メーカーHandicareのブースに展示されるとのことだ。
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