村田製作所と登米村田製作所は、宮城県登米市にある小学校4校を対象に理科授業を実施する。村田製作所の自転車型ロボット「ムラタセイサク君」や一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」による実演が行われる他、動作の仕組みなどが学べるという。
東日本大震災の発生から間もなく1年を迎えようとしている。これまで何度となくメディアでも取り上げられてきたように、被災地の人々の努力、そして行政やボランティア団体/企業などが支援活動を行い、少しずつ元の生活を取り戻そうと歩み始めている。
ただ、そうはいっても震災の爪あとは深く、東京電力・福島第一原子力発電所の事故の影響などもあり、まだまだ被災地周辺の住民たちの不安はぬぐいきれないだろう。こうした被災地の人々の心のケア、とりわけ子どもたちの心理的なケアについては引き続き各方面からの支援が必要であろう。
そんな中、“モノづくりの楽しさ”を伝えることで、地元の子どもたちに夢や希望を抱いてもらおうという試みが行われようとしている。村田製作所と同社グループ企業である登米村田製作所(所在:宮城県登米市)による取り組みだ。
両社は2012年2月28日、宮城県登米市内にある小学校4校を対象に、村田製作所の自転車型ロボット「ムラタセイサク君」や一輪車型ロボット「ムラタセイコちゃん」の実演を交えた理科授業を実施すると発表した。2月29日に石森小学校と佐沼小学校で、3月1日に中津山公民館(中津山小学校の生徒を対象)と浅水小学校で行われる(表1)。
村田製作所では、未来を担う子どもたちに理科や科学の面白さを伝えるため、2006年より拠点のある近隣の小学校、中学校などを対象にした理科授業を実施してきた。その中で、ムラタセイサク君やムラタセイコちゃんの実演を行い、バランスを保つ仕組みや開発中の様子などを紹介し、“何度失敗しても諦めてはいけない”というメッセージを伝えてきたという。今回、宮城県登米市で行われる理科授業でも、子どもたちに夢や希望を持ってもらえることを願っているという。
ちなみに、被災者の心理的なケアを目的にしたロボットの活用例としては、ホンダのヒューマノイドロボット「ASIMO(アシモ)」による特別授業(ASIMO特別授業)の実施や、大和ハウス工業によるセラピー用アザラシ型ロボット「パロ」の無償貸与(こちらは高齢者を対象にしたケア)などが記憶に新しい。
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