トヨタ自動車は、手足の不自由な人のために、家庭内での自立生活をアシストする生活支援ロボット「HSR(Human Support Robot)」を開発。円筒型の小型・軽量ボディに、折り畳み式のアームを備えているのが特徴である。
トヨタ自動車は2012年9月21日、手足の不自由な人のために、家庭内での自立生活をアシストする生活支援ロボット「HSR(Human Support Robot)」を開発したことを発表した。
同社は、「トヨタ・パートナーロボット」開発ビジョンを2007年に掲げて以来、“人との共生”を目指し、「医療」「介護」「生活」「仕事」のシーンで、人のパートナーとして人をサポートするロボットの開発を進めてきた。今回発表されたHSRは、その成果の1つに位置付けられる(関連記事)。
HSRは、小回りの効く円筒型の小型・軽量ボディに、折り畳み式のアームを備える。「床の上の物をつかんで拾う」「薄い物を吸引して拾う」「棚、机の上、高い所から物を取ってくる」「カーテンを開ける」といった日常生活における支援が行えるロボットである。操作は、音声認識機能やタブレット端末を利用する。
本体直径 | 370mm |
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本体高さ | 830〜1330mm(昇降域500mm) |
重量 | 32kg |
腕長さ | 775mm |
肩高さ | 506〜1006mm(昇降域500mm) |
つかめる物の重量とサイズ | 1.2kg以下、幅130mm以下 |
最大速度 | 3km/h |
走破性能 | 段差9mm、登坂5度 |
表 主な仕様 |
HSRの開発に当たり、生活の質(QOL:Quality Of Life)の維持・向上に貢献することを目指して、日本介助犬協会の協力の下、手足の不自由な人のニーズを把握し、「落ちた物を拾う」「物を取ってくる」「家族や介護者とのコミュニケーション」という機能の開発に取り組んできた。2011年には、横浜市総合リハビリテーションセンターの協力の下、障害者の自宅でHSRを使った実証実験を実施し、利用者の視点を設計にフィードバックしながら開発を進めてきた。
同社は今後、少子高齢化社会の課題も踏まえ、HSRを使った遠隔地からの見守りや介助ができる機能を開発するなど、実用化を目指し、大学・研究機関などと連携しながら研究開発を進めていく方針だ。
なお、9月26〜28日の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第39回 国際福祉機器展 H.C.R.2012 特別企画『福祉機器開発最前線』」にて、HSRの参考出品が予定されている。
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