AIエージェントが車載アプリを動的に生成、イーソルがAIDVに向けた実験場を披露車載ソフトウェア

イーソルは、ユーザーイベント「eSOL Technology Forum 2026」において、AIエージェントと人/車両が対話するための実験場となる仮想環境「eSOL AI Mobility Sandbox」を披露した。

» 2026年07月28日 06時45分 公開
[朴尚洙MONOist]

 イーソルは2026年7月17日、東京都内で開催したユーザーイベント「eSOL Technology Forum 2026」において、AI(人工知能)エージェントと人/車両が対話するための実験場となる仮想環境「eSOL AI Mobility Sandbox」を披露した。

 eSOL AI Mobility Sandboxは、同社が2024年9月に発表したSDV(ソフトウェアデファインドビークル)のドメインモデルである「DVE+Uモデル」を基にした、自動車におけるさまざまなAI活用を検討できる仮想環境である。DVE+Uモデルは、ドライバー(Driver)、自車両(Vehicle)、周辺環境(Environment)といったドメインに加えて、各ドメインを横断するようなユーティリティー機能(Utility)によって、車両や車両内外の要素を抽象化するのに最適なドメインモデルだ。各ドメインは複数のサービスで構成されている。

イーソルの権藤正樹氏 イーソルの権藤正樹氏

 イーソル 代表取締役社長CEO兼CTOの権藤正樹氏は「DVE+UモデルはフィジカルAIの開発などで重要な役割を果たす世界モデルの一種であり、人間が世界を理解するための『概念の言語』から構成される。そして、『表現の言語』である自然言語に基づくLLM(大規模言語モデル)と本質的/構造的に相性が良い。ここで、DVE+UモデルのAPIとLLMを接続するMCP(Model Context Protocol)のロジックを軽くできれば、人間の要求をAIが理解して、DVE+Uモデル上に構築された自動車のさまざまな機能を組み合わせて、リアルタイムに最適なアプリを生成できるのではないかと考えた。論より証拠ということで作ったのがeSOL AI Mobility Sandboxだ」と説明する。

「eSOL AI Mobility Sandbox」の概要 「eSOL AI Mobility Sandbox」の概要[クリックで拡大] 出所:イーソル

 現行の自動車では、車載情報機器などにあらかじめ組み込まれたアプリを用いてカーナビゲーションやカーラジオ、メディアプレーヤーなどの機能を利用できるようになっている。eSOL AI Mobility Sandboxは、従来の静的なアプリに替えて、乗員の要求に応じてAIエージェントがリアルタイムにアプリを生成するような、AIDV(AIデファインドビークル)の時代に向けた実験場になることを想定している。

 展示会場では、eSOL AI Mobility Sandboxに基づく仮想環境上で車内視点、車外視点、内部視点で車両の状態を確認できるようにし、ユーザーからの自然言語に対応してAIエージェントがリアルタイムにアプリを生成する様子をデモンストレーションで示した。動作シナリオとしては、AIに車両のドアレイアウトに関するAPIを提供することで、狙ったドアを正確に自動で開けるといった内容などに限定していたが、併せてAIログなども表示しており、AIが対応する機能を生成していることを確認できるようになっていた。

「eSOL AI Mobility Sandbox」のデモ展示 「eSOL AI Mobility Sandbox」のデモ展示。車内視点、車外視点、内部視点で車両の状態を確認できるようになっている[クリックで拡大]
「eSOL AI Mobility Sandbox」のシステム構成 「eSOL AI Mobility Sandbox」のシステム構成[クリックで拡大] 出所:イーソル

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