日本発スタートアップのエッジAIチップがNVIDIA超え、AI処理性能は3.36PFLOPS:人工知能ニュース

AIアクセラレータを手掛ける日本発スタートアップのEdgeCortix(エッジコーティックス)は、最大3.36PFLOPSのAI処理性能を発揮するフィジカルAI向けの次世代スケーラブルAIチップレットプラットフォーム「RAIDEN」を発表した。

» 2026年09月25日 06時45分 公開
[MONOist]

 AIアクセラレータを手掛ける日本発スタートアップのEdgeCortix(エッジコーティックス)は2026年9月24日、最大3.36PFLOPSのAI(人工知能)処理性能を発揮するフィジカルAI向けの次世代スケーラブルAIチップレットプラットフォーム「RAIDEN」を発表した。2027年初頭のサンプル提供、2027年後半の量産開始を計画している。既に川崎重工業の次世代AI対応航空宇宙/防衛製品など、RAIDENの採用を前提とした製品開発が始まっているという。

「RAIDEN」で最大となる4ダイ構成の「RAIDEN X4」のイメージ 「RAIDEN」で最大となる4ダイ構成の「RAIDEN X4」のイメージ[クリックで拡大] 出所:EdgeCortix

 RAIDENは、1個/2個/4個のコンピュートダイをパッケージ内に集積することでAI処理性能のスケーラビリティを実現するモジュール型チップレットアーキテクチャを採用している。フラグシップの4ダイ構成となる「RAIDEN X4」のAI処理性能は、FP4(4ビット浮動小数点演算)で最大3.36PFLOPS(3360TFLOPS)を実現する。これは、NVIDIAの最新組み込みAIボード「Jetson AGX Thor」のAI処理性能(FP4)である2070TFLOPSの約1.6倍に達する。

 RAIDENのAI処理のアーキテクチャは、EdgeCortixがこれまで展開してきたエッジAI向けアクセラレータ「SAKURA-I」「SAKURA-II」に搭載する「DNA(Dynamic Neural Accelerator)」を基に新開発した「DNA-X」を用いている。DNA-Xに基づくコンピュートダイは、行列演算エンジンと64個のベクトルコアから成るベクトル処理エンジン、両エンジンと帯域幅15.6TB/sで接続される共有メモリハブから構成されている。

 また、コンピュートダイ間はUCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)に基づく帯域幅1.54TB/sの超高速ファブリックによって相互に接続できるとともに緊密に統合した1つのシステムとして動作可能であり、4ダイ構成のRAIDEN X4における3.36PFLOPSのAI処理性能の実現につなげている。8レーン分のPCIe 6.0が外部接続インタフェースとして用意されており、帯域幅は双方向で最大800GB/sに達する。また、最大容量で256GBのLPDDR5Xメモリを接続でき、その帯域幅も548GB/sを確保している。また、DNA-XによるAI処理の他、32個の64ビットRISC-Vコアを用いた汎用的なCPU処理も行える。

DNA-Xアーキテクチャの構成 DNA-Xアーキテクチャの構成[クリックで拡大] 出所:EdgeCortix
「RAIDEN X4」の製品仕様 「RAIDEN X4」の製品仕様[クリックで拡大] 出所:EdgeCortix

 オープンソースで展開されているさまざまなAIフレームワークに対応してAIモデルをコンパイルするソフトウェアスタックの「MERA」は、新たにDNA-Xに対応した「MERA 3.0」となり機能を拡張した。MERAは、SAKURA-IやSAKURA-II向けに展開しており、それらの開発成果はRAIDENで引き続き利用することが可能だ。

 なお、RAIDENは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の補助事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」(JPNP20017)において得られた成果を活用しているという。

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