フィジカルAIの代表的なアプリケーションとして期待を集めるヒューマノイド。このヒューマノイド市場に向けた提案活動に注力しているのがインフィニオン テクノロジーズだ。2050年に3億台に達するという同市場に向けた事業戦略について、同社のディルク・ガイガー氏に聞いた。
生成AIの登場からさらなる加速を見せているAI(人工知能)技術の進化は、現実世界に直接影響を及ぼすフィジカルAIとしてさらなる飛躍を遂げようとしている。このフィジカルAIの代表的なアプリケーションとして期待を集めているのが人型ロボットであるヒューマノイドだ。
ヒューマノイドが人と同じような認識/判断ができるようになるには、フィジカルAIのAIモデルと高速に処理するプロセッサなどのさらなる進化が必要だ。しかし、その認識/判断の結果から、ヒューマノイドが身体を動かして適切な作業を行うにも、さまざまな半導体が必要になる。
このヒューマノイド市場に向けた提案活動に注力しているのがマイコンとパワー半導体の大手メーカーであるインフィニオン テクノロジーズだ。同社 ヒューマノイド ロボティクス アプリケーション マーケティング シニアディレクターのディルク・ガイガー(Dirk Geiger)氏は「インフィニオンはフィジカルAI時代に向けて、現実世界とAIをつなぐ役割を果たしていきたい」と語る。
現在のヒューマノイド市場は、中国メーカーなどが市販を始めたばかりであり、まだそれほど大きくはない。しかし、インフィニオンでは、2030年に150万台、2035年に1160万台に拡大した後、2050年には3億台に達すると見込んでいる。ガイガー氏は「この3億台という数字は保守的なものだ。家庭に1台、企業で10〜100台のヒューマノイドが導入されると考えれば、控え目であることがよく分かる。ヒューマノイドはまさにネクストビッグシングといえるだろう」と述べる。
2050年時点の一般的なヒューマノイドは、身長170cm/体重70kgとほぼ人と変わらない大きさと重量が想定されている。このうち、アルミニウム合金が20〜30%(14〜21kg)を占め、モーターなどに用いられる高性能レアアース磁石が4kg、銅が5〜10kg用いられことになる。また、リチウムイオン電池の容量は2k〜3kWhになる見通しだ。「材料の使用量を減らしていくことが必要だ。半導体には、ヒューマノイドをもっと効率良く持続可能なものにする役割が求められる」(ガイガー氏)。
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