日産「セレナ」がマイクロハイブリッド化、燃費は4%向上の15.2km/lにエコカー技術(1/2 ページ)

日産自動車は、新開発のハイブリッドシステム「スマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)」を搭載したミニバン「セレナ」の新モデルを発売する。S-HYBRIDの搭載により、JC08モード燃費は現行モデルから4%向上し15.2km/lとなった。

» 2012年07月18日 17時09分 公開
[朴尚洙,@IT MONOist]

 日産自動車は2012年7月18日、新たなハイブリッドシステム「スマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)」を開発したと発表した。ミニバン「セレナ」に、このS-HYBRIDを搭載し、同年8月に発売する。価格は未定。ハイブリッドシステムの搭載により、JC08モード燃費は15.2km/lを達成。同社によれば、国内市場で販売されている排気量2.0l(リットル)クラスのエンジンを搭載する3列シートミニバンの中で最も良好な燃費だという。これによって、政府が設定する2015年度の燃費基準を約20%上回り、自動車取得税と重量税の免税対象車となる見通しだ。

「S-HYBRID」を搭載する「セレナ」 「S-HYBRID」を搭載する「セレナ」。モデル名は「Highway STAR G S-HYBRID」となっている。(クリックで拡大) 出典:日産自動車

 S-HYBRIDは、2010年11月発表の4代目セレナに採用したアイドルストップシステム用のモーター「ECOモーター」の出力を高めて、走行を補助する原動機としての機能を追加した。モーター出力の向上により、減速時におけるエネルギー回生の発電量も増加している。モーターの出力は、既存のECOモーターの1kWと比べて1.8倍となる1.8kWに高めた。

「S-HYBRID」のベースになった「ECOモーター」採用のアイドルストップシステム 「S-HYBRID」のベースになった「ECOモーター」採用のアイドルストップシステム。ベルト式エンジンクランキング方式により、再始動時の騒音を低減している。ECOモーターによるエネルギー回生も可能だ。(クリックで拡大) 出典:日産自動車

 モーターによる走行補助やエネルギー回生時の蓄電をより多く行えるように、メインの鉛電池に加えて小型の鉛電池を1個追加した。メインの鉛電池のサイズは、現行セレナのアイドルストップシステム搭載モデルと同じD26(長さ260×幅173×高さ204mm)で、サブの鉛電池のサイズはB19(長さ190×幅129×高さ203mm)。一般的に、D26サイズの5時間容量は55〜60Ah、B19サイズは30Ah前後なので、電池容量は約1.5倍になっている。

 これらのように、S-HYBRIDのシステム規模は、現行セレナに搭載しているアイドルストップシステムと比べて大きくなっているものの、全てがエンジンルーム内に収められている。このため、セレナの特徴である、広い車室容積や使いやすいシートアレンジなどを維持することができた。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.