ダイフクが「2025NEW環境展」において、ごみ収集車の内部洗浄装置「シャワーホッパー」と外部洗浄装置「パラレルウォッシャー」を披露。両装置を組み合わせて運用すればごみ収集車の中から外までほぼ自動で丸洗いできるようになる。
ダイフク傘下で洗車機を手掛けるダイフクプラスモアは、「2025NEW環境展」(2025年5月28〜30日、東京ビッグサイト)において、ごみ収集車の内部洗浄装置「シャワーホッパー」と外部洗浄装置「パラレルウォッシャー」を披露した。ごみ収集車は高圧洗浄機やホースを使って手作業で洗うのが一般的だが、両装置を組み合わせて運用すればごみ収集車の中から外までほぼ自動で丸洗いできるようになる。
2024年6月に発表したシャワーホッパーは、ごみ収集車でごみを収集する際に用いる投入口と、ごみを排出する際に持ち上げて開くホッパーの両方を自動で洗浄する装置である。洗車機のノウハウを基に、高圧水を噴射するノズルを複数配置した「MHPS(マルチハイプレッシャーシステム)」を開発し、形状が複雑な投入口とホッパーを最適に洗浄できるようにした。「当初は後方から高圧水を噴射する簡易なシステムを検討したが、それでは付着したごみをうまく落とせないことが分かった。そこで、扇状の高圧水とストレートの高圧水を噴射するノズルを左右にスイングしてごみを洗い落とすMHPSを開発した。MHPSは縦方向に回転するので、投入口の下部やホッパーの裏側などもしっかり洗浄できる」(開発を担当したダイフクの説明員)。
シャワーホッパーを使用すれば、手洗いと比べて洗浄時間を30%、水使用量を20%削減できる。今回の2025NEW環境展では、顧客からのフィードバックなどを基に、洗浄した投入口とホッパーから土間に流れ落ちたごみを洗い流す新機能を追加している。
一方、パラレルウォッシャーは、ダイフクがこれまで展開してきた乗用車向けの洗車機と同じく車両の外側を洗浄する機能を備えている。「しかしごみ収集車の外形は複雑な凹凸があり、一般的な洗車機のようなブラシを使った洗浄は難しい。ここでも、高圧水を噴射するノズルを適切に配置することで、ごみ収集車の外側の洗浄に対応できる装置を開発できた」(同説明員)という。パラレルウォッシャーによる洗車は、2つある洗浄ユニットの間でごみ収集車を前後に通過させて行う。洗浄ユニット上部と下部に設置した高速ダブル直進ノズルを上限にスイングして汚れを落とす。下部にはタイヤハウスの洗浄用の扇形ノズルも設置している。
パラレルウォッシャーの洗浄時間は4トン車で1台当たり約40秒となっている。
装置の本体価格(税別)はシャワーホッパーが585万円、パラレルウォッシャーが485万円。年間販売目標台数は両装置合計で100台だ。「人手不足が課題になる中で、ごみ収集の本来業務というより付帯業務に近いごみ収集車の洗浄を自動化するニーズは高まっている。両装置を組み合わせた提案を強化していきたい」(同説明員)としている。
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