ドイツAUMOVIOの日本法人であるオモビオが、コンチネンタルからのスピンオフにより独立したAUMOVIOの戦略や、日本市場における事業展開の方向性などについて説明した。
ドイツAUMOVIOの日本法人であるオモビオは2025年12月5日、東京都内で会見を開き、同年9月にコンチネンタル(Continental)からのスピンオフにより独立したAUMOVIOの戦略や、日本市場における事業展開の方向性などについて説明した。
ドイツのコンチネンタルは2024年12月、オートモーティブ事業のIPO(新規株式公開)に向けたスピンオフを決定した後、2025年4月にオートモーティブ事業独立後の新社名がAUMOVIOとなることを発表。同年9月にフランクフルト証券取引所への上場を完了している。日本法人についても、コンチネンタル・オートモーティブが「オモビオ株式会社」に社名を変更するなどオモビオブランドに変更しており、11月10日からは新社名での取引を開始している。
オモビオ 代表取締役社長の難波祐一郎氏は「自動車業界は中国の台頭に代表される市場環境の変化、電動化や自動運転技術、SDV(ソフトウェアデファインドビークル)化などの技術変革が急速に進展している。これらにスピーディーに対応するため、AUMOVIOとしてオートモーティブ事業をスピンオフすることを決めた。自動車業界に約150年貢献してきたコンチネンタルの力を、新たに独立会社となったAUMOVIOでも生かしていく」と語る。
AUMOVIOは「未来のモビリティを創るパワーハウス(Adaptive Powerhouse for Future Mobility)」をビジョンに掲げており、25カ国以上に展開する従業員数が8万6000人以上、売上高が約200億ユーロ(約3兆6000億円)という事業規模を持つ。約56種類の製品クラスタを有しており、それらのうち約80%が世界市場シェアのトップ3のポジションにあるとしている。
AUMOVIOが手掛ける製品には、ADAS(先進運転支援システム)や足回りと関連するシャシーシステム、デジタルメーターなどのコックピット関連、テレマティクスシステムなどがある。難波氏は「SDVをハードウェアからソフトウェア、AI、クラウドに至るまでワンストップで提供できる。コンチネンタルから受け継いだ品質と、独立したことによる俊敏さを生かし、オールラウンドプレーヤーとしてやっていけるだろう」と強調する。
日本法人のオモビオの従業員数は約1300人。本社を横浜市神奈川区に置き、ブレーキ制御コントローラーを生産する浜北工場(静岡県浜松市)や、北海道紋別市や千葉県旭市のテストコースを含めて12拠点を展開している。
事業部は「セーフティー&モーション(SAM)」「ユーザーエクスペリエンス(UX)」「アーキテクチャ&ネットワークソリューションズ(ANS)」「オートノマスモビリティ(AM)」という4つの製品別に分かれている。
日本法人の方針として難波氏が掲げるのが「GLOCAL戦略」だ。「AUMOVIOのグローバルな知見と、品質を中心とした日本の良いところを掛け合わせていく。これまでは、メルセデスやBMWなどドイツの自動車メーカーが採用したものを紹介するというアプローチが多く一方通行的な面があった。新会社として新たな時代を迎え、日本市場における品質重視の考え方などを取り入れていくGLOCAL戦略が必要だと考えている。日本のスタートアップとの連携も視野に入れていきたい」(同氏)。
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