東京地下鉄ら6社は、廃車になった半蔵門線8000系車両から半蔵門線18000系車両へのアルミニウム水平リサイクルに成功した。排出されるCO2を約8t削減した。
東京地下鉄(東京メトロ)、メトロ車両、ホンダトレーディング、日本総合リサイクル、日軽金アクト、住江工業の6社は2025年11月25日、廃車になった半蔵門線8000系車両から半蔵門線18000系車両へのアルミニウム水平リサイクル(同一純度や同一組成の合金に還流させ、純度や合金組成を維持するリサイクル)に成功したと発表した。排出されるCO2を約8t削減した。6社が2024年度に着手した「アルミニウム車体の水平リサイクルに関する共同研究」の成果となる。
廃車になった東京メトロ半蔵門線8000系の車両を解体するときに鉄/ステンレス/樹脂などをできる限り取り除く。そして車体部位や用途ごとで用途が異なるアルミ合金種別で仕分ける。さらに水平リサイクルに使用するアルミ合金種別(5000番台、6000番台)のみを選別し、アルミスクラップ化する。
このアルミスクラップを使って、溶解(不純物除去/詳細組成確認)し、水平リサイクルされた板材(5000番台)、押出ビレット製造後にアルミ押出形材(6000番台)を製造した。また、製造した水平リサイクル材の品質は、新塊から製造したものと同レベルであることを確認した。
水平リサイクル材を車両内装部品用の部材に活用した。腰掛部の背もたれに使用する背板(5000番台)、妻パネルの側面板に使用する形材(6000番台)を製造し、半蔵門線18000系新造車両(18119編成)の車両内装部品として活用した。
本技術による水平リサイクル材を活用することで、車両内装部品に使用するアルミニウムの製造時に排出されるCO2を約8t削減できた。
今後は、新造車両でアルミニウム水平リサイクルの適用範囲を拡げていくため、強度部材であり、より厳しい品質管理が必要となる車体構体への循環利用を目標とする。また今回の研究で獲得したノウハウを生かして、共同研究を進めていく。
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