国土交通省は、1〜2人乗りの超小型車について、軽自動車をベースに、道路運送車両法の基準緩和制度を利用して車両の認定取得を可能にするための法整備を進めている。2013年3月末までに新たな基準を策定した後、地方公共団体を窓口にして認定申請を始める。
国土交通省は、2012年6月上旬にガイドラインを発表した1〜2人乗りの超小型モビリティ(超小型車)について、軽自動車をベースに、道路運送車両法の基準緩和制度を利用して車両の認定取得を可能にするための法整備を進めている。電気自動車普及協議会(APEV)が6月27日に東京都内で開催した「超小型モビリティ部会」で、国土交通省自動車局の技術政策課で車両安全対策調整官を務める永井啓文氏が明らかにした。
2013年3月末までに、道路運送車両法の中で基準の緩和について定めている「保安基準第55条」を基に、超小型車を軽自動車として認定する際の新たな基準を策定する。当面は、超小型車を使った新しい街づくりを目的とした実証実験で使用する車両の公道走行認定に利用される見通し。このため、超小型車の認定申請は、実証実験を所管する地方公共団体を窓口にして、その後で地方運輸局が審査することになる。
超小型車の認定では、実証実験で利用されることを念頭に、利用エリアの限定(申請窓口になった地方公共団体の所管内など)や、高速道路の走行禁止などの使用制限が課される見込み。外形寸法やエンジン/モーターの出力といった認定基準の詳細については現在検討中である。
永井氏は、「超小型車は、衝突安全性能、歩行者安全性能、ヘッドランプや方向指示器の寸法などが、現在の道路運送車両法の基準を満たしていないので、軽自動車として認定することはできない。実際に、2011年度の超小型車の実証実験に使用した、日産自動車の超小型の電気自動車(EV)『NISSAN New Mobility CONCEPT』を、そのまま軽自動車として認定するには問題があった」と説明する。
EVの普及を目指すAPEVで発表されたように、超小型車はEVが主流になると想定されている。APEVの代表幹事を務めるタジマモーターコーポレーション会長兼社長の田嶋伸博氏は、「APEVに参加する地方企業にとって、今回の法整備は新たなビジネスチャンスにつながる。地方公共団体を窓口にして認定申請できるのも、超小型車への参入を容易にするものだ」と述べている。
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