JR東日本は、AR技術を活用したスマートフォン向け駅構内案内サービス「東京駅 JR×AR」を4月16日から約2カ月半の期間、東京駅構内で試行する。iPhoneおよびAndroid搭載端末で利用できる。
東日本旅客鉄道(JR東日本)は2012年4月11日、AR(Augmented Reality)技術を活用したスマートフォン向け駅構内案内サービス「東京駅 JR×AR(ジェイアールエイアール)」の実証試験を開始すると発表した。
実施場所は東京駅構内、試験期間は4月16日から6月30日までの約2カ月半だ。実証試験の参加者からのアンケート結果などを通じて、提供するサービスの内容を評価・検証し、今後の実用化を目指すという。
同サービスの利用には、iPhone(対応OSバージョン:iOS 5.0/5.1)およびAndroid(対応OSバージョン:2.2/2.3)搭載スマートフォン端末に、4月16日に無償公開される専用アプリケーション「JR東京駅 AR アプリ」をインストールする必要がある。同アプリケーションを起動し、東京駅構内の柱や床面、27箇所に設置されたAR識別マーカーをスマートフォンのカメラ越しに認識すると、付近のエキナカ情報や立体的な駅構内地図などが表示される(以下、説明動画)。
同サービスは、同社の経営ビジョン(グループ経営ビジョン2020−挑む−)に掲げる「お客さま満足の向上を実現する」ための駅づくりの一環として提供されるものだ。2010年にグッドデザイン・フロンティアデザイン賞を受賞した「床面サインとスマートフォンを利用した駅空間案内システム」(同社とソフトバンクテレコム、DNPデジタルコム、ブックマークの4社共同で受賞)をベースに研究開発が進められてきたという。
なお、今回の開発主体は、JR東日本研究開発センターの研究組織の1つ、フロンティアサービス研究所である。その他、13の協力企業が今回の取り組みに参画している。
東京駅というと、10月完成予定のJR東京駅丸の内駅舎(赤れんが駅舎)の復元工事に何かと注目が集まる。しかし、その一方では、今回の取り組みや、先日お伝えしたマルチタッチ対応の総合案内用デジタルサイネージの導入(関連記事)といった、利用者の利便性向上に向けた新しい取り組みも着実に進められている。新旧の融合により、今後、東京駅がどのように生まれ変わるのか、引き続き注目したい。
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