JVCケンウッドは、測距システムの新規導入や置き換えを検討している企業、団体向けに、RGBセンサーとToFセンサーを単一レンズに統合したセンサーフュージョンカメラの実証実験プログラムを提供する。
JVCケンウッドは2025年4月23日、RGBセンサー(カラー画像センサー)とToFセンサー(測距センサー)を単一レンズに統合した、センサーフュージョンカメラの実証実験プログラムを提供すると発表した。
このセンサーフュージョンカメラは、同社の画像処理技術と光学技術を応用しており、異なるセンサー間の測距誤差を解消する。単眼のため、視差補正などのキャリブレーション無しでリアルタイムでの測距や画像解析データの取得ができる。
取得したRGBデータをAI(人工知能)に組み込むことで、物体認識や姿勢推定、異常検知といったAIを活用した画像解析にも対応する。また、複数のToFカメラを併用する際には赤外線干渉が発生するが、これを低減するアルゴリズムを搭載。複数のカメラを同時使用する場合も、安定した測距性能を発揮する。
LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)など既存の測距技術は、優れた性能を備える一方で、対象物の詳細な識別やカラー情報の取得が難しく、処理時にかかる負荷やコスト面で課題があった。同社のセンサーフュージョンカメラは、高性能な環境認識技術により、既存の測距技術と比較して低コストで導入できる。
実証実験プログラムは、測距システムの新規導入や置き換えを検討している企業、団体向けとなる。実証期間中は同カメラのプロトタイプを提供し、導入企業を技術面でサポートするとともに、実環境に応じた活用方法を提案する。
同社は、実証実験プログラムを通じてセンサーフュージョンカメラの市場ニーズを評価し、製品化に向けて改良を進める。
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