首都圏で分散していた拠点を集めたJVCケンウッドの新本社「Value Creation Square」が本格的に稼働を開始した。
JVCケンウッドは2024年12月4日、首都圏で分散していた拠点を集めた新本社「Value Creation Square(バリュークリエーションスクエア)」が本格的に稼働を開始したと発表した。
八王子事業所(東京都八王子市)にあったモビリティ&テレマティクスサービス分野、白山事業所(横浜市緑区)にあったセーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業部、久里浜事業所(神奈川県横須賀市)にあったエンタテインメントソリューションズ分野のメディア事業部を横浜本社地区(横浜市神奈川区)に集めてバリュークリエーションスクエアとする。横浜本社地区には、コーポレート部門や研究開発拠点、デザインセンターの他、メディア事業部の一部が以前から稼働していた。
バリュークリエーションスクエアは、従来の本社ビル、試験や評価を行うテスティングラボ、2024年10月に完成した「ハイブリッドセンター」の3つの建屋で構成されている。同年11月下旬に従業員の入居が完了し、本格的に業務を開始した。
ハイブリッドセンターは地上4階建てで延べ床面積は1万301.99m2。収容人数は600人だ。「ZEB Ready」の認証や横浜市建築物環境配慮制度「CASBEE横浜 Aランク」を取得している。
人的流動性を高め、「グローバルなメガトレンドに対応した技術開発」(JVCケンウッド)を強化するとしている。ステークホルダーとのコミュニケーションも活性化させ、社外との共創の場としても活用していく。
JVCケンウッドは映像や音響、通信の技術を自社の強みと位置付けており、事業部ごとに重複する技術も持っていたが、拠点が分かれていたため効率的な技術活用に課題があった。バリュークリエーションスクエアに全ての事業部を集めることで人の行き来や知見の共有を増やし、新たなアイデアの創出につなげたい考えだ。
新たに完成したハイブリッドセンターは、大きな吹き抜けのある開放的な空間とした。各フロアの中心部に会議室やコラボレーションスペースなど従業員が集まる場を設け、コミュニケーションを促進する。立ち寄りやすくオープンな環境で議論できるスペースも用意した。
執務エリアは分野や事業ごとに分けず、技術/商品企画/営業など機能別に配置してコミュニケーションを促進する。技術部門は執務エリアの什器(じゅうき)や設備を標準化し、どのフロアでも同じ業務環境とした。さまざまなプロジェクトに参加しやすくすることで、エンジニアの流動性を高めるという。技術交流会など新たな価値創出の機会も設ける。
評価設備では、クルマが1台入る広さの電波暗室や、床面を網上にして床の上下に空間を設けた無響室など大型の設備を充実させた。
働く場所を選ばないハイブリッドワークの環境も整備した。バリュークリエーションスクエアに出勤しないオフサイト勤務に対しては、在宅勤務、サテライトオフィスやシェアオフィスを柔軟に活用できる制度や環境を整えた。バリュークリエーションスクエアに出勤するオンサイト勤務では、大まかにエリアを分けて固定席を設けない部門ごとのデスク、個室ブースなど仕事内容に適した場所で業務できる。休憩しながら交流できるラウンジなども充実させたという。
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