パーソルファシリティマネジメントが「フリーアドレスの実態調査」の結果を発表した。席が固定化しがちと約37%が回答し、導入時の説明が少なく、オフィス環境の充実度が低い層ほど固定化率が高い傾向があった。
パーソルファシリティマネジメントは2024年7月10日、「フリーアドレスの実態調査」の結果を発表した。同調査の対象者は、職場がフリーアドレスを導入している20〜50代のオフィスワーカーで、448人から回答を得た。フリーアドレスは「社員が自分の席を持たず、自由に席を選んで仕事ができるワークスタイル」を指す。
初めに、オフィス内に業務に合わせて選べるような多様な用途のエリアが備わっているかを尋ねたところ、70.3%が「備わっている」と回答した。フリーアドレス導入とオフィス環境の構築は、セットで実施している会社が多いと言えそうだ。
次に、フリーアドレス導入時に、総務部や人事部などから導入の目的や背景について説明があったかを尋ねた。その結果、「十分な説明があった」が28.3%、「簡単な説明があった」が45.5%となり、73.8%がなんらかの説明があったと回答した。説明方法として最も多かったのは、「社内イントラ、社内報」(55.9%)で、次が「説明会」(44.1%)、「メール、社内チャットツール」(40.5%)となっている。
続いてフリーアドレスの利用状況を調査した。「座る場所が固定化しないよう、毎回意識して席を変えているか」と尋ねたところ、「変えている」が21.2%、「たまに変えている」が38.4%となり、59.6%が意識的に席を変えていることが分かった。一方、「全く変えていない」は12.7%、「あまり変えていない」は24.1%で、36.8%は席が固定化しがちだと回答している。
席を変える人と変えない人の違いを調べるため、「フリーアドレス導入時の説明の有無」との関係を見た。その結果、席を「変えている」と回答した人のうち、「説明があった」と回答した人ほど、意識的に席を変えている傾向があることが分かった。
さらに、「オフィス環境の充実度」との関係を見ると、多様なエリアが「備わっている」オフィス環境で働く人ほど、意識的に席を「変えている」「たまに変えている」の回答割合が高かった。多様なエリアは「備わっていない」と回答した人は、席の固定化率が高い傾向があった。オフィス内に多様なエリアが備わっている人は、備わっていない人と比べて、意識的に席を「変えている」という回答が5倍以上多かった。
これらの結果から、フリーアドレスの有効な運用には、導入時の十分な説明や業務に合わせて選べる多様なエリアを充実させることが大きく影響すると考えられる。
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