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» 2022年02月28日 07時30分 公開

ボッシュが研究開発拠点を新設、横浜市都筑区にグループの4割以上の人員が集まる車載ソフトウェア

Robert Boschの日本法人ボッシュは2022年2月24日、横浜市都筑区に研究開発施設を新設すると発表した。

[齊藤由希,MONOist]

 Robert Boschの日本法人ボッシュは2022年2月24日、横浜市都筑区に研究開発施設を新設すると発表した。

 2024年9月に完成する予定で、渋谷区にある本社など東京や横浜の8拠点2000人が新設する研究開発施設に移る。新たな研究開発施設は横浜市営地下鉄のセンター北駅から徒歩5分の立地で、地上7階/地下2階、延べ床面積は5.3万m2を計画している。ソフトウェアやAI(人工知能)の領域での人材採用拡大にも対応できる広さとした。ボッシュは今後数年間で200人以上のソフトウェア人材を新規に採用する計画だ。新社屋では人員2000人まで対応できるという。

 横浜市都筑区には既存の研究開発施設がある。新設する社屋には、自動車関連の事業部やグループ会社の他、産業機器や消費財、エネルギー、ビルテクノロジー関連の事業部やグループ会社を集約し、既存の研究開発施設はパワートレインと二輪車の事業部の拠点となる(パワートレイン関連は埼玉県東松山市の拠点でも研究開発を継続)。2つの研究開発施設を生かして事業部間の協業や連携を促進する。

 新設する研究開発施設には都筑区民文化センターも併設するため、プロジェクト全体で390億円の投資となる(区民文化センターは完成後、横浜市に売却)。日本でのRobert Boschグループの投資としては過去最大だとしている。建設過程では、ドイツ・ドレスデンの半導体工場の建設でも採用したデジタルツインを活用する。

白い建物がボッシュの新社屋。都筑区民文化センターが隣接して新たに建設される(左)。ボッシュは一般の来訪者も使用できるカフェを設ける。2つの建物の間の屋根付きスペースは、イベントなどで活用する想定だ(右)[クリックで拡大] 出所:ボッシュ

定置型燃料電池の導入などサステナビリティにも配慮

 ボッシュは2021年1月にクロスドメインコンピューティングソリューションズ事業部を設置するなど、事業領域を横断してソフトウェアやエレクトロニクスの領域を強化している。こうした取り組みを受けて、新社屋には、ワークショップやトレーニングなど対面ならではのコミュニケーションを重視した場をつくる。また、長期的な視野に立って自由に研究開発を進められる環境を整備する。

 新社屋において自動車関連で手掛けるのは、車両制御、安全システム、運転支援および自動運転、HMI(ヒューマンマシンインタフェース)、車載電子部品、車載ソフトウェア、コネクテッドサービス、エンジニアリング、アフターマーケットなどの分野となる。

 新社屋への移転完了は2024年12月を予定している。横浜市都筑区に2つの研究開発施設を構えることで、ボッシュグループ全体の4割以上の従業員が集約されるという。分散していた拠点や人員を集め、“アフターコロナ”をにらんで国内の開発体制を強化する。

 新社屋では、環境に配慮したさまざまな設備も導入する。1つが都市ガス(天然ガス)で稼働する定置型燃料電池(SOFC、固体酸化物形燃料電池)だ。ドイツでも複数の拠点でパイロット導入しており、都市ガス以外にもバイオガスや水素などさまざまな燃料で稼働できる。火力発電所から提供される電力と比較して、CO2排出量や電気代をそれぞれ20%削減できる見込みだ。2026年には最大で数百キロワットまで発電量を拡大する。

内製の定置型燃料電池で発電した電力を新社屋で使用する[クリックで拡大] 出所:ボッシュ

 屋上には太陽光パネルを設置し、年間50MWhの発電を予定している。空調対策ではSOFCの排熱を熱源として再利用する他、日差しによる室温上昇を抑えるルーバーを設置する。さらに、温度や湿度、花粉、PM2.5などを検知するボッシュ製センサーを活用した自動換気システムも導入し、冷房や機械換気にかかる電力を年間で68MWh削減するという。

 地下には330m3の雨水タンクを設置し、ろ過して施設で再利用することで、水の使用量を年間13%削減する。

 新社屋の建設ではデジタルツインを活用する。企画、設計から施工、完成後の管理まで全ての過程において、BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)によって3Dモデル化した建屋に、インフラやケーブルダクトなど建物に関する情報を集約する。これにより、建設におけるムダを省き、コストや使用する資源、CO2排出を削減する。

さまざまなサステナビリティへの取り組みが新社屋に採用される[クリックで拡大] 出所:ボッシュ

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