流量を計算します。これは普通の積分ですね(式22)。
パイプの半径をaとします。d=2aを代入します(式23)。
発達した円管流れでは、圧力の下がり方は一様です。圧力勾配は、次式で表すことができます。これを代入します(式24、式25)。
「ハーゲン・ポアズイユ(Hagen-Poiseuille)」の式を導出することができました。
それでは、平均流速を求めましょう。平均流速をumとすると、式26が成立します。
平均流速と最大流速umaxの関係を調べましょう(式27)。
平均流速の2倍が、最大流速となります。
使用した水あめは、家族でおいしくいただきました。次回は、流体解析を行い、式20と式24を比較しましょう。
あっ、そうそう。「水あめにはチクソ性(thixotropy)があるから、厳密にはニュートン流体じゃないよね?」といった細かいツッコはひとまずご容赦ください。 (次回へ続く)
高橋 良一(たかはし りょういち)
RTデザインラボ 代表
1961年生まれ。技術士(機械部門)、計算力学技術者 上級アナリスト、米MIT Francis Bitter Magnet Laboratory 元研究員。
構造・熱流体系のCAE専門家と機械設計者の両面を持つエンジニア。約40年間、大手電機メーカーにて医用画像診断装置(MRI装置)の電磁振動・騒音の解析、測定、低減設計、二次電池製造ラインの静音化、液晶パネル製造装置の設計、CTスキャナー用X線発生管の設計、超音波溶接機の振動解析と疲労寿命予測、超電導磁石の電磁振動に対する疲労強度評価、メカトロニクス機器の数値シミュレーションの実用化などに従事。現在RTデザインラボにて、受託CAE解析、設計者解析の導入コンサルティングを手掛けている。⇒ RTデザインラボ
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