最近、スタートアップ企業創業者の進退に関する話題が続きましたね。大きく話題になったのはオープンAIのサム・アルトマン氏のことですが、GMクルーズのKyle Vogt(カイル・ヴォクト)氏がCEOを辞任したことも驚きました。ヴォクト氏のSNSアカウントでは辞任の理由については触れられていませんが、米国で10月初めに発生したGMクルーズの人身事故と関連があるとみられています。
ヴォクト氏はホンダとGMクルーズ、GMが自動運転タクシーサービスの提供を発表した10月20日の会見に合わせて来日しており、会見でも質疑応答に対応しました。人身事故に関して当局から調査を受けていることについて会見で尋ねられると「自動運転は新しい技術で、規制当局は多くの疑問を抱き、理解しようとしている。調査は規制当局がこの技術についてより深く知り、その影響を理解するためのツールの1つだ。われわれは調査以外でも規制当局と定期的に連絡を取り合っており、規制当局の難しい仕事を助けるために協力するのを楽しみにしている」とコメントしていました。
10月24日には自動運転タクシーの運行許可が米国で停止されており、日本経済新聞は「人身事故への対応や当局への報告が不適切だと指摘された」と報じています。
GMクルーズは10月末に「信頼を取り戻すことが今われわれにとって一番大切だ。プロセスやツール、システムを見直し、信頼が得られるより良い運用を検討する時間をとる」というコメントを発表。11月に入ってからは、自動運転ソフトウェアのリコール、GMの法務担当役員がGMクルーズの最高管理責任者に就任、遠隔操作による車両の運行停止、私有地での自動運転システムのトレーニングなどの取り組みを発表していました。
どのような理由で辞任したのかは分かりませんが、辞任を知らせるSNSの投稿では「なぜこの仕事が重要なのか思い出してほしい。交通の現状はひどいけれど、曲がり角にはるかに良いものがあることを私たちは証明してきた」と、自動運転タクシーの意義について触れています。
こうした人事があった一方、国内ではホンダとGMクルーズ、GMの自動運転タクシーサービスの実用化に向けて、経済産業省や国土交通省なども動き出しています。日本でのサービスも、優秀な経営者の次のビジネスも、今後の展開が楽しみですね。
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