「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

ホンダGMの自動運転タクシーはお台場からスタート、都心3区にも拡大モビリティサービス

経済産業省などは「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」の第1回の会合を実施した。

» 2023年11月21日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 経済産業省などは2023年11月17日、「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」の第1回の会合を実施した。経済産業省と国土交通省が進める自動運転の開発と実装のプロジェクト「RoAD to the L4」の下に置かれたコミッティで、第1回の会合には経済産業省と国土交通省の他、警察庁、総務省、東京都の担当者が参加した。

 初回の議題はホンダやGM(General Motors)、GMクルーズが2026年から始める自動運転タクシーサービスだ。ホンダも会合に出席し、サービスの概要を説明するとともに、コミッティへの要望も述べた。

 この中で、ホンダは2026年1月から自動運転タクシーサービスをお台場エリアにおいて有償で開始し、中央区や千代田区、港区、さらに江東区の一部地域に順次拡大していくことを明らかにした。最初は数十台でサービスを始め、エリア拡大に合わせて最大500台まで自動運転タクシーの台数を増やす。

2026年1月からスタートするサービスで使用する「Origin」[クリックで拡大]

 コミッティに対しては、サービス開始に向けて必要な許認可などの手続きを網羅的に整理すること、手続きの準備も含めたスケジュールの確認と管理、関係省庁をまたいだ依存関係にある手続きのスケジュール調整などをホンダから要望として伝えた。

 まずは「Cruise AV」で有人での走行検証となるため、かかわる法律は道路運送車両法での自動車の登録のみだ。「Origin」の有人での走行検証では、自動車の登録に加えて道路交通法での道路使用許可が求められる。

 レベル4の自動運転でのサービスの検証では、自動車の登録や道路使用許可だけでなく、自動運行装置への走行環境条件の付与が必要だ。そして、サービスとして有償運行を行う際は道路運送法の認可も関わる。法律によって関わる官庁が異なるため、コミッティ内でステータスを確認し合いながら円滑に許認可を進めていく。

ホンダが使用する2種類の車両
車名 Cruise AV Origin
役割 自動運転システムの走行実証 自動運転タクシーサービスの提供
用途 ドライバーが乗車した走行検証 保安員が乗車した走行検証
無人でのサービスとしての運行
機能 ・ドライバーが操作できる
・自動運転システムに相当する制御
・遠隔での監視/支援システムとの連動
・ドライバーは不在
・自動運転システムを用いた自動走行
・遠隔での監視/支援システムとの連動
・ユーザーのアプリを通じた有償サービス
センサー LiDAR、レーダー、カメラ、超音波センサー、GPS
走行実証に使うCruise AV[クリックで拡大] 出所:ホンダ

 政府は2025年度をめどに国内50カ所程度で無人運転車による移動サービスを実現することを目指している。レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティはホンダとGM、GMクルーズだけを対象にしたものではなく、この目標に向けてレベル4の自動運転タクシーを実用化に向けて進めていくことが役割となる。

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