経済産業省と国土交通省は、グローバルな技術開発競争の激化や地政学リスクの高まりを受けて、日本の自動車産業の競争力をさらに向上させるため、官民で検討して「モビリティDX戦略」をアップデートした。
経済産業省と国土交通省は2025年6月9日、日本の自動車産業の競争力強化に向けた新たな取り組みとして、「モビリティDX戦略」を官民で検討し、アップデートしたと発表した。
今回のアップデートにより、新たなAI技術を使った自動運転モデルなど、官民協力体制下でSDV(ソフトウェアデファインドビークル)関連投資の加速化を図る。安全性が高く、広範囲な自動運転の社会実装に向けたAI技術の開発をはじめ、業界内協業による体制構築や政府調達の活用など、早期実装化に向けた取り組みを進める。
SDV開発に適した産業構造の構築も進める。具体的には、SDV関連部品のグローバルサプライチェーンの理解や、強靭化のためのデータ連携、SDV化に対応した車両要件の共通ルール化、開発プロセスのデジタル化を図る。さらに、モビリティDXプラットフォームを活用し、ソフトウェア人材の不足解消や企業間連携を推進する。地政学リスクへも対応し、SDV関連システムの国内生産基盤強化も図る。
2024年5月に「モビリティDX戦略」が策定されたが、世界ではAI技術を使った自動運転技術の実装化など技術開発競争の激化や地政学リスクの高まりなど、モビリティDXを取り巻く環境は激変している。このような状況においても、自動車産業が国際競争に勝ち抜いていけるようにするため、モビリティDX戦略で示したSDVのグローバル販売台数における「日系シェア3割」の達成(2030年及び2035年)に向けて官民で検討を進めてきた。
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