日産リーフが全面改良、「効率至上主義」でEVの実用性高める電動化(1/3 ページ)

日産自動車は電気自動車(EV)「リーフ」を全面改良して発表した。2025年秋に北米で販売を開始し、日本や欧州でも展開する。日米向けは栃木工場で、欧州向けは英国サンダーランド工場で生産する。バッテリーはAESC製だ。

» 2025年06月18日 07時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 日産自動車は2025年6月17日、電気自動車(EV)「リーフ」を全面改良して発表した。同年秋に北米で販売を開始し、日本や欧州でも展開する。日米向けは栃木工場(栃木県上三川町)で、欧州向けは英国サンダーランド工場で生産する。バッテリーはAESC製だ。価格などの詳細は発売時に各市場で発表する。

 栃木工場は「ニッサンインテリジェントファクトリー」を導入し、複雑化する電動車の生産に対応している。部品の組み付け自動化などで現場の負担を軽減した他、エンジン車/HEV(ハイブリッド車)/EVの混流生産に対応するためのパワートレイン一括搭載システムが採用されている。EVの「アリア」に対応してきた効率的な生産技術を新型リーフでも活用する。

フルモデルチェンジした新型リーフ[クリックで拡大] 出所:日産自動車

 新型リーフは「効率至上主義」をテーマに、地道な効率向上で走行可能距離や充電性能を稼ぎ出した。1回の充電での走行可能距離は、バッテリー容量が大きいグレードで600km以上となる。軽自動車タイプの「サクラ」、上位モデルのアリアの中間を担うモデルとして、より多くのユーザーを取り込む次世代のスタンダードを目指して開発した。

 米国向け新型リーフは日本から輸出するが、トランプ政権との関税交渉はまだ続いている。日産自動車 チーフプロダクトスペシャリストの遠藤慶至氏は「関税が確定した場合の対策はまだ社内で検討中だ。あらゆる選択肢を検討している」としている。

新旧リーフの諸元比較
新型リーフ 先代モデル
バッテリー容量
(使用可能電力量)
52.9kWh 75.1kWh 40kWh 60kWh
最高出力 130kW 160kW 110kW 160kW
最大トルク 345Nm 355Nm 320Nm 340Nm
一充電走行距離
(新型は社内測定値)
- 最大303miles(EPA)
日本/欧州:600km以上
322km 450km
全長 4405mm
日本:4360mm
欧州:4350mm
同左 4480mm 同左
全幅 1810mm 同左 1790mm 同左
全高 1557mm
日本、欧州:1550mm
同左 1560mm 1565mm
重量 1794〜1982kg 同左 1795〜1805kg 1945〜1955kg
ホイールベース 2690mm 同左 2700mm 同左
サスペンション フロント:ストラット式
リア:マルチリンク式
同左 フロント:独立懸架ストラット式
リア:トーションビーム式
同左
タイヤ寸法(前後) 215/55R18
235/45R19
195/60R18(欧州仕様のみ)
同左 205/55R16 91V
215/50R17 91V
同左
急速充電規格 NACS
日本:チャデモ
欧州:CCS
同左
Cd値
(社内測定値)
0.26
欧州仕様は 0.25
同左
荷室容量
(社内測定値)
420L
欧州仕様は437L
同左
最高速度 時速160km 同左
新型リーフの主要諸元は北米仕様。2代目リーフの主要諸元は日本仕様。2代目リーフの一充電走行距離はWLTCモード
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