ボルボ・グループ・ジャパンはフル電動ホイールローダー「L120 Electric」の販売を開始した。
ボルボグループの建設機械部門であるボルボ建設機械の日本法人ボルボ・グループ・ジャパンは2025年6月18日、フル電動ホイールローダー「L120 Electric」の販売を開始したと発表した。購入は日本販売代理店である山崎マシーナリーが、レンタルは西尾レントオールが対応する。
L120 Electricは同クラスのディーゼル駆動機に匹敵するパワーと環境性能を両立させた。掘削力は172kN、操作重量は1万9700~2万1000kgで、定格出力は228kWとなる。リチウムイオン電池を搭載しており、使用可能なバッテリー容量は搭載容量の90%となる254kWhだ。バッテリー電圧は600Vで、フル充電にかかる時間は最短で1時間30分程度。1回の充電で最大9時間稼働できる。充電方式はCCS2で、充電環境も併せて提供する。
L120 Electricの駆動中はゼロエミッションで、静粛性が高いため、低炭素化や騒音低減が求められる現場に導入しやすいという。2025年9月までにGX(グリーントランスフォーメーション)建設機械の認定も取得予定だ。バケット容量は3.6m3で、コンクリートやアスファルトのプラント、製鉄所の構内作業、廃棄物処理やリサイクル、農林業、港湾施設や物流など幅広い場面の作業に対応するとしている。エンジン関連部品がないため、メンテナンスコストは3割程度削減できるという。
エネルギーコストは50%以上削減する。一般の電動乗用車と同じくワンペダルで走行でき、アクセルペダルを緩めれば回生ブレーキが働く。エネルギー回生により効率は15%向上される。また、電動化によって振動や騒音が軽減されており、オペレーターの疲労軽減にも寄与する。
日本の建設機械業界ではオフロード法改正による排ガス規制強化を受けて、ゼロエミッション化への取り組みが活発になっている。環境省の補助金なども建設機械の電動化を後押しする。ボルボ建機は、乗用車やトラックなどのEV(電気自動車)開発で培った技術で建設機械の電動化を推進し、2040年にボルボグループ全体の目標であるバリューチェーン全体でのネットゼロ達成を目指す。
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