回転部に給電可能な、リング形状電極の電界結合方式ワイヤレス給電ユニット:FAニュース
ビー・アンド・プラスは、リング形状電極を用いた電界結合方式ワイヤレス給電ユニットを開発した。リング形状にすることで回転用途に特化しており、回転部のセンサーなど、IoTデバイスに電源を供給できる。
ビー・アンド・プラスは2023年7月19日、リング形状電極を用いた電界結合方式ワイヤレス給電ユニットを開発し、実験調査用として販売を開始した。
リング形状電極を用いた電界結合方式ワイヤレス給電ユニットを開発[クリックで拡大] 出所:ビー・アンド・プラス
新たに開発した給電ユニットは、従来の電極形状とは異なり、リング形状にすることで回転用途に特化したものだ。回転中でも給電が可能なため、回転部のセンサーなど、IoT(モノのインターネット)デバイスに電源を供給する手段としての活用を想定している。
回転用途に特化したリング形状電極[クリックで拡大] 出所:ビー・アンド・プラス
リング形状電極はベース部とリモート部で構成され、それぞれの電極が対向することで、電界結合ワイヤレス給電により非接触で電力が供給される。電極間の距離は、電極表面のアクリル板を除いて約3mmほど離すことができ(5V1A供給時の実力値)、ベース部とリモート部の間で軸ズレが生じなければ回転中でも電力伝送を継続できる。
ベース部とリモート部を対向させて電力を供給 出所:ビー・アンド・プラス
電極中央に金属製シャフトを通し、シャフトに固定して使用可能で、ユニットはマグネットと端子で分割、連結できるため、シャフトなどにも容易に取り付けられる。ユニットサイズは内径50×外径100mmで、このサイズ以外にも、同社では用途に合わせた寸法のカスタマイズに対応する。
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