DMG森精機は、送り軸に振動を与え、切りくずを分断するテクノロジーサイクル「チップブレーキング」を開発した。切りくずを細かく分断し、加工中の切りくずトラブルを防止する。
DMG森精機は2022年7月29日、送り軸に振動を与え、切りくずを分断するテクノロジーサイクル「チップブレーキング」を開発したと発表した。主軸回転と工具の送り軸方向への振動を同期させ、非切削時間を設けて切りくずを細かく分断する。
クーラントの圧力に頼ることなく、樹脂や純銅、純アルミニウムといった、切りくずが長くなりやすい被削材でも確実に切りくずを分断できる。切りくずの長さは、主軸1回転あたりの振動回数の変更によって調節可能だ。また、外径旋削に加え、溝入れや穴あけ、内径旋削など、さまざまな加工方法に対応する。
チップブレーキングのプログラムは、同社のオペレーティングシステム「CELOS」画面から対話形式で容易に作成できるため、作成時間が80%短縮する。振動負荷予測機能を搭載しており、事前に安全な切削条件を確認できる。また、切削条件を自動で制御し、過剰な振動を抑える。
チップブレーキングを導入することで、切りくず処理の手間や費用を大幅に削減できる。切りくずによる機械停止や加工不良が減るため、自動化システムの導入も検討しやすくなる。
搭載可能な機種は、ターニングセンタ「NLX」、複合加工機「NTX」、4軸複合加工機「NZX」の各シリーズ。チップブレーキングは後付けにも対応するため、現在使用している製品に適用できる。
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