開所式では、NTTドコモが提案している5Gソリューションを応用した、4つのプラント向けDXソリューションを紹介した。
「映像エッジAIプラットフォームによる危険検知」では、監視カメラの映像をEDGEMATIRIXが提供するエッジAIシステムによってリアルタイムで分析し、現場におけるヘルメット着用の検知や禁止エリアへの侵入検知といった形で、現場の安全を確保するための警告を出すデモを披露した。EDGEMATIRIXのエッジAIシステムは、画像データをそのままクラウドに送ることなくエッジAIで分析した結果だけをリアルタイムに出力する点が特徴になっている。ただし、警告が出た際の状況確認などで画像を見る必要がある場合には、5G通信によって素早くデータを取得することもできるようになっている。
「3Dモデルでのプラント内可視化と業務効率化」では、5G Innovation Plant内を約2日間かけてスキャンした点群データに基づく3DモデルをVR(仮想現実)空間として用い、5G Innovation Plant側にいるエンジニアと、東京・赤坂のドコモ 5G DXスクエアのエンジニアが共同で、5G Innovation Plant内に監視カメラを置くためのクリアランスや、位置取りの確認などを行うデモを見せた。2人のエンジニアは実際には離れた場所にいるものの、5G通信の高速大容量、低遅延という特徴を生かしてVR空間内でのやりとりをスムーズに行っていた。なお、3Dモデルの構築に用いたのはNTTドコモの点群データ活用ソリューション「Field Simulator」である。
「ARスマートグラスによる遠隔作業支援」では、スマートグラスを装着した経験の浅いエンジニアの作業を、遠隔から熟練者が支援する様子を見せた。5Gによる高速大容量の通信を活用して、動画などのリッチコンテンツをスマートグラスにAR(拡張現実)として表示することで、鮮明で明確な支援を実現できるとしている。今回のデモでは、サン電子の遠隔作業支援ソリューション「AceReal」を利用していた。
「プラント内におけるドローン活用」では、NTTドコモが提供するSkydioのドローンを使ってプラント内の巡回点検を行うデモ映像を披露した。今回のデモ映像の撮影では、ドローンの操縦は人間が行っているものの、今後は無線通信技術を用いた遠隔操縦/自動操縦などに取り組んでいくことになる。「現時点では、5Gによるドローンの遠隔操縦は法的に認められていないが、法制度が整備され次第対応していきたい」(展示の説明員)という。
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