人事向け情報サイト「人事のミカタ」が「改正育児・介護休業法」についてのアンケート調査結果を発表。「改正育児・介護休業法」を「知っている」と79%が回答した。また、男性の育児休業について「取得実績がある」が35%を占めた。
エン・ジャパンが運営する人事向け情報サイト「人事のミカタ」は2022年2月15日、「改正育児・介護休業法」についてのアンケート調査結果を発表した。
同調査は、「人事のミカタ」を利用する企業(人事担当者)を対象としたもので、393社から回答があった。
初めに、2022年4月から段階的に施行される「改正育児・介護休業法」について知っているか尋ねたところ、「よく知っている」が16%、「概要だけは知っている」が63%となり、「知っている」が79%を占めた。
これを従業員規模別に見ると、従業員数300人未満の企業は「よく知っている」が14%、「概要だけは知っている」が63%で、「知っている」が77%となっている。従業員数300人以上の企業は「よく知っている」が22%、「概要だけは知っている」が62%で、「知っている」が84%となった。
次に、この法改正により、2022年4月から全企業に対して「育児休業を取得しやすい環境整備、個別の周知、意向確認措置の義務化」と「有期労働者の育休取得条件緩和」が課されることを知っているか尋ねた。その結果、「よく知っている」が14%、「概要だけは知っている」が59%となり、「知っている」が73%を占めた。
また、この法改正により、2022年10月から「産後パパ育休(出生時育児休業)が創設されること」と「育児休業の分割取得が可能になること」を知っているかという質問には、「よく知っている」が19%、「概要だけは知っている」は54%となり、「知っている」が73%となった。
この法改正によって段階的に施行される具体的な内容について、「よく知っている」の回答割合を比較すると、適用時期が早い内容の方が少なかった。改正法への理解が進んでいないことがうかがえる。
続いて、「改正育児・介護休業法」についてどのように思うか尋ねたところ、「非常に良いと思う」が22%、「まあ良いと思う」が58%となり、「良いと思う」が80%を占めた。その一方で、「分かりづらい」の回答も8%あった。従業員数300人未満の企業では、「分かりづらい」が10%になっている。
具体的なコメントを見ると、「非常に良いと思う」「まあ良いと思う」という回答には「育児・介護制度は少子高齢化社会には必要不可欠」「定着するまでは法で強制力を持たせるくらいで良い」などの意見があった。
「あまり良いと思わない」「良くないと思う」と回答した企業からは、「制度や規制によってがんじがらめになってしまうことが懸念される」「もう少し時間をかけて徐々に浸透させてほしい」との声が、「分かりづらい」という回答には「度重なる法改正により制度が複雑化している」などのコメントが寄せられた。
次に、男女別に育児休業の取得状況を尋ねたところ、男性の育児休業については、全体の35%が「取得実績あり」と回答。「取得実績あり」の回答割合を企業規模別に見ると、従業員数300人未満の企業は26%、従業員数300人以上の企業は59%となっている。
女性の育児休業については、全体の79%が「取得実績あり」と回答した。企業規模別では、従業員数300人未満の企業は73%、従業員数300人以上の企業は96%が「取得実績あり」と回答している。「取得実績あり」の回答割合を男女で比較すると、取得実績に40ポイント以上の差があることになる。
最後に、育児休業に関する悩みや懸念点を尋ねた。その結果、「休業社員の代替要員の確保とコスト」が62%で最も多かった。次いで「改正育児・介護休業法への対応」と「男性社員の育休取得や育児参加による人員不足」が共に32%となった。
悩みのトップだった「休業社員の代替要員の確保とコスト」に寄せられたコメントには、「取得実績がなく、今後休業する社員が出た際の対応が決まっていない」「休業する社員の担当業務に対応する余裕がない」などがあった。
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