「静かな退職者」は47%の人事担当者が「いる」と回答、最低限しかやりたくないキャリアニュース(1/2 ページ)

日本人事経営研究室が「中小企業が抱える人事課題に関する意識調査」の結果を発表した。退職はしないものの、仕事への熱意を失った「静かな退職者」について、人事担当者の47.0%が会社の中に「いる」と回答した。

» 2025年06月05日 10時00分 公開
[MONOist]

 日本人事経営研究室は2025年5月27日、「中小企業が抱える人事課題に関する意識調査」の結果を発表した。

 同調査は、25〜60歳の経営者および人事担当者、人事権のある役職の社員100人と、転職経験がある一般社員100人の計200人を対象とした。

 初めに、転職経験のある社員に会社を退職した理由を尋ねたところ、1位が「職場環境(人間関係、労働時間など)」(39.0%)、2位が「給与や待遇への不満」(38.0%)、3位「会社や自分の将来性に不安を感じた」(30.0%)となった。

キャプション 会社を退職した理由[クリックで拡大] 出所:日本人事経営研究室

 次に経営者、人事担当者に「社員が退職する理由」は何だと思うかを尋ねた。その結果、1位は「給与や待遇への不満」(49.0%)、2位が「職場環境」(39.0%)、3位が「仕事のやりがいがなかった」(20.0%)となった。社員の退職理由が「わからない」という回答も20.0%あった。

キャプション 社員が退職する理由[クリックで拡大] 出所:日本人事経営研究室

 「職場環境」や「給与や待遇への不満」という理由については、社員と経営者、人事担当者の認識にあまり差はなかった。一方、社員で「会社や自分の将来性に不安を感じた」を退職する理由に選んだ人が30.0%いたのに対し、「会社や自分の将来性に不安を感じた」ことが社員の退職する理由だと考える経営者、人事担当者が18.0%であることを考えると、両者には大きなギャップがあることが分かる。

 次に、転職経験のある社員に、退職する本当の理由を人事担当者や上司に正直に伝えたか尋ねた。54.0%が「伝えなかった」と回答した。

キャプション 退職する本当の理由を人事担当者や上司に正直に伝えたか[クリックで拡大] 出所:日本人事経営研究室

 退職する際に伝えた「建前上の理由」は、1位が「家庭の事情」(38.9%)、2位が「新しい挑戦をしたい」(25.9%)、3位が「健康上の理由(体調不良、ストレス等)」(14.8%)だった。

キャプション 退職する際に伝えた建前上の理由[クリックで拡大] 出所:日本人事経営研究室
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