指紋認証は盗難で狙われやすいクルマを救う?自動車業界の1週間を振り返る(2/2 ページ)

» 2021年10月16日 08時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
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次世代レクサスがスタート

 レクサスブランドは先日新モデルを発表した「NX」から“次世代レクサス”がスタートしており、新型LXは第2弾です。

 次世代レクサスは、「カーボンニュートラル社会の実現と、多様化するニーズやライフスタイルに寄り添うクルマづくり」を掲げています。新型NXはレクサス初となるPHEV(プラグインハイブリッド車)が設定された他、大容量バッテリーを搭載したHEV(ハイブリッド車)も選択できます。新型LX(と新型ランドクルーザー)は、軽量化などクルマの素性を磨くことで、車両使用時の年間CO2排出量をグローバルで20%低減するとしています。

 さらに、新型NXと新型LXはインフォテインメントシステムも進化しています。カーナビゲーションシステムの地図とクラウド上の地図データを併用したハイブリッド型のナビゲーションシステム、「Hey Lexus!」などの起動ワードで利用できる音声認識機能、Webブラウザ機能、そして、無線ネットワークによるアップデート(OTA:Over-The-Air)など、新機能が満載です。こうした機能の進化を支えるのは、トヨタ自動車が強化しているソフトウェア開発体制です。地域ごとの開発の成果にも期待ですね。

リコール費用19億ドルはLG電子の負担に

 さて、バッテリーの不具合による発火が発生し、14万3000台でリコールが余儀なくされたGM(General Motors)のEV「ボルト」に関して、リコール費用20億ドル(約2270億円)のうち、19億ドル(約2150億円)をLG電子が負担するというブルームバーグの報道もありました。

 GMは米国運輸省の国家道路交通安全局(NHTSA)に対し、バッテリーセルの製造上の欠陥だと報告していますが、両社は今後も提携を継続し、新たなEVの駆動用バッテリーを生産します。

 日常生活で身近にある電池は昔から姿かたちも変わらず、何も考えずに使えてしまうので、つい意識が薄れてしまいますが、電池は課題や進化の余地がたくさんありますね。掲載中の連載「今こそ知りたい電池のあれこれ」では、リチウムイオン電池が膨らんだり発熱したりする理由や、負極や正極、電解質などの材料、「バイポーラ型電池」「全固体電池」といった注目のキーワードまで、広く取り上げています。ぜひお読みくださいね。


 トヨタ自動車が11月の生産計画を発表しました。当初は挽回生産の台数を織り込んで100万台レベルの生産を計画していましたが、一部の部品で供給不足の影響が残ることから、グローバルで10〜15万台の下方修正となります。ただ、供給不足の可能性がある事案を1つ1つ徹底的に検証し、9月や10月の実績よりも生産台数は改善します。

 部品供給の影響解消にめどがつきつつあるのであれば、明るいニュースとみることもできますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響や、それに伴う企業活動の停滞の可能性は楽観視できません。給湯器やエスカレーターなど、身近な製品でも故障しても部品が手に入らず修理できないという状況です。

 ニュースを見聞きするだけでも落ち着かない状況で、そのさなかにいる方々は落ち着かないどころかてんてこ舞いの日々かと思います。どうかご自愛ください。

→過去の「自動車業界の1週間を振り返る」はこちら

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