小径部品の複合加工能力を強化した、スイス型自動旋盤2モデルを発売FAニュース

スター精密は、小径部品の加工に対応する、スイス型自動旋盤「SL-7」「SL-10」を発表した。正面、背面加工用刃物台へ装着する工具ユニットの拡充や各種モーターの高出力化により、生産性の向上に寄与する。

» 2021年10月15日 07時00分 公開
[MONOist]

 スター精密は2021年9月16日、小径部品の加工に対応する、スイス型自動旋盤「SL-7」「SL-10」を同年10月に発売すると発表した。本体標準価格は902万円(税込み)。「SL」シリーズ合計で、年間240台の販売を目指す。

 SL-7はφ7mm、SL-10はφ10mmまでの材料径に対応し、同社の小径部品加工機「SR-10J typeC」に比べて複合加工能力を強化した。情報通信機器、自動車、医療分野などの小径部品加工を主な対象とし、複雑形状や多様化する加工ニーズに応える。

キャプション スイス型自動旋盤「SL-10」[クリックで拡大] 出所:スター精密

 正面加工用のクシ刃型刃物台は、旋削加工用のバイトホルダーと複合加工用のクロスドリルユニットを縦に配列する。クロスドリルユニットに搭載の5軸型ユニットは、4カ所にカートリッジポジションを有し、各種工具ユニットを装着することで、さまざまな加工に対応する。

 背面加工用刃物台には、2軸×3段のY2軸制御付き6軸型ユニットを搭載。最大4カ所まで、回転工具ユニットを装着できる。背面側での複合加工能力を拡充したことで、効率的な工程分割が可能になり、サイクルタイムの短縮につながる。

 また、切りくずを分断するステップサイクル機能を標準搭載するほか、各種モーターを高出力化することで加工能力が向上した。クロス回転工具モーターへの冷却ファンの取り付け、キャクへの切削油の飛散を防ぐ板金カバーの追加により、過度な発熱を抑える。

 機体各部に温度センサーを配置しており、高精度かつ柔軟な熱変位補正に対応する。ビルトインスピンドルを採用したメイン主軸に加え、サブ主軸にもビルトインセンサーを搭載し、高精度な主軸割り出しが可能だ。

 切削室側に採用した大開口の跳ね上げ式ドアや、オペレーター側に配置した操作パネルのNC画面など、作業性や操作性が向上。他に、パラメーターやプログラムを復元可能な自動バックアップ機能、プログラムとともに工具ユニット、形状オフセットなどのデータを管理できるプログラムデータ一括入出力画面など、ソフト面でも機能も強化している。

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