UDP、TCP通信機能を追加したスマートRFIDリーダー、さまざまな通信環境に対応 : FAニュース
IDECは、機能を追加したφ22スマートRFIDリーダー「KW2D形」を発表した。UDP、TCP通信機能とPCレスでのタグリスト更新機能を追加し、従来の通信プロトコルに対応していないホスト機器でも、KW2D形と接続できる。
IDECは2021年8月20日、UDP、TCP通信機能とPCレスでのタグリスト更新機能を追加した、φ22スマートRFIDリーダー「KW2D形」を発表した。社員証などのICカードや、鍵の代わりとなるKEYFOBタグを読み取り、機械や装置の権限管理、現場での入退室管理、検査ラインの履歴管理などに対応する。
φ22スマートRFIDリーダー「KW2D形」 出典:IDEC
2020年9月に発売したKW2D形は、高い耐環境性により、水や油がかかる環境下でも使用できる。Ethernetポートを搭載することで、プログラマブルコントローラーやプログラマブル表示器などの上位機器とも容易に接続できる。
従来は、Modbus TCP、EtherNet/IP、CC-LINK IE Field Basicの3つの通信プロトコルに対応していたが、2021年8月末にバージョンアップを予定しており、UDP、TCP通信機能を追加する。従来の通信プロトコルに対応していないホスト機器でも、UDP、TCP通信によってKW2D形と接続できるようになる。
また、バージョンアップにより、KW2D形が設置されている現場でのマスタータグ(カード)を使用した登録や削除に対応。タッチパネルなどのホスト機器からも登録、削除、編集が可能になる。PCを現場に持ち込まずにタグリストの更新作業ができ、ユーザビリティの向上につながる。
スマートファクトリーを末端から支える「RFID活用」
RFIDタグ技術の自動車製造ラインなどでの採用が進んでいる。ドイツのインダストリー4.0などが示す高度自立分散型「スマートファクトリー」の基幹技術の1つとしても注目される同技術。あらためて産業用途でのRFID技術を整理するとともに、製品動向を紹介する。
メーカーの異なるRFID機器をつなぐ「RFIDミドルウェア」、村田製作所が提案強化
村田製作所は、「リテールテックJAPAN 2019」において、RFIDリーダーで読み取ったデータを基幹システムなどで利用できるようにする「RFIDミドルウェア」を中核とする、アパレルの物流センターから店舗をイメージしたデモ展示を披露した。
飲料容器へのRFIDタグ貼り付けを自動化、遮断扉なしのゲート型RFIDリーダーも
凸版印刷は、「第20回自動認識総合展」において、紙製の飲料容器であるカートカンへのRFIDタグの自動貼り付けや、ゲート型RFIDリーダーによる一括読み取りなど、同社グループ製品によるデモンストレーションを披露した。
スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。
スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。
エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。
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