村田製作所は、「リテールテックJAPAN 2019」において、RFIDリーダーで読み取ったデータを基幹システムなどで利用できるようにする「RFIDミドルウェア」を中核とする、アパレルの物流センターから店舗をイメージしたデモ展示を披露した。
村田製作所は、「リテールテックJAPAN 2019」(2019年3月5〜8日、東京ビッグサイト)において、RFIDリーダーで読み取ったデータを基幹システムなどで利用できるようにする「RFIDミドルウェア」を中核とする、アパレルの物流センターから店舗をイメージしたデモ展示を披露した。
同社は2017年6月にイタリアのRFID関連システムインテグレーターであるID-Solutionsを買収。欧州内で多くの採用実績があるID-SolutionsのRFIDミドルウェアと、村田製作所が製造するRFIDタグを組み合わせた提案を行う“RFIDソリューションベンダー”に事業方針を転換している。
今回の展示は、ID-Solutionsが欧州で採用実績を積み重ねているアパレル向けでのRFIDミドルウェアの利用イメージになる。物流センターではRFIDのラベル発行と商品の出荷検品、店舗倉庫では入荷検品と売場移動、店舗売場では棚卸と会計を行っており、これらのRFIDのタグ登録やRFID読み取りは、それぞれ異なるメーカーのRFIDラベルプリンタやリーダー、ゲートを用いている。RFIDミドルウェアを使えば、これら異なるメーカー間のRFID関連機器からの情報も一括して管理できる。顧客のERPやWMS(倉庫管理システム)といったITシステムとの情報連携も容易に行える。
このRFIDミドルウェアの特徴と、RFIDタグのデバイスメーカーとして培ってきた経験を組み合わせた提案活動は徐々に成果が出つつある。特に、国内展開を進める中で強い引き合いを得ているのが、医療機器や医療機材のメーカーの物流プロセスだ。「病院などの医療現場で用いられる医療機器や医療機材は、預託の形で客先に在庫していることが多い。患者や疾患のタイプごとに必要とされる仕様が異なるため、常にストックしておき、実際に使用されたときに売り上げが立つビジネスになっている。これをしっかり管理するにはRFIDが最適だが、各物流プロセスで用いられる機器に縛られない点で当社のRFIDミドルウェアは高い評価を受けている」(村田製作所の説明員)という。
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