サトーは「リテールテックJAPAN 2019」(2019年3月5〜8日、東京ビッグサイト)において、イスラエルのベンチャー企業Wiliotが開発した、環境発電によるバッテリーレスBluetoothタグを活用した「2021年の顧客体験」を紹介した。
サトーは「リテールテックJAPAN 2019」(2019年3月5〜8日、東京ビッグサイト)において、イスラエルのベンチャー企業Wiliotが開発したバッテリーレスBluetoothタグを活用した「2021年の顧客体験」を紹介した。
データ活用やトレーサビリティーなどの観点で、小売や物流、製造現場などでは、個品管理への要望が強くなっている。2025年までに主要コンビニの全ての製品に電子タグを付ける「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」が経済産業省によって2017年に宣言されるなど、個品管理用の電子タグの関心は高まっている。
従来は、UHF帯RFID(Radio Frequency Identifier)※)を活用した電子タグなどが主流となり、今後の活用に向けてさまざまな開発なども進んでいた。しかし、これらに対し、Bluetooth技術を活用した新たな技術として提案を進めているのがイスラエルのベンチャー企業であるWiliotだ。
※)関連記事:スマートファクトリーを末端から支える「RFID活用」
Wiliotはファブレスの半導体開発企業で、新たに環境発電を利用したバッテリーレスのBluetoothタグ技術を開発し、このほど本格実用化に向けた実証などを含む「Early Advantage Program」を開始した。
今後30社ほどを目指す同プログラムの参加企業の1つで、日本から唯一参加しているのがサトーである。サトーではこの技術を活用した個品管理システムなどをリテール市場などに展開するために、今回のリテールテックに出展し「2021年の顧客体験」としてさまざまなソリューションを訴えている。
サトーがリテールテックで訴えた「2021年の顧客体験」では、このバッテリーレスのBluetoothタグ技術により、マネキンのコーディネートを来店客のスマートフォン端末に配信するリアルタイムプロモーションや、手に取った製品や試着室に持ち込んだ製品の価格や在庫、色違い製品の紹介などをするサービスのデモなどを紹介した。
一方で、これらの情報は全て店鋪側にも記録され、マーケティング情報として活用できる。人や商品の動きや実績を可視化することで「手に取ったけれど購入に至らなかった製品」や「試着したけれど購入に至らなかった製品」などの情報も取得可能である。
気に入った製品は自動精算エリアに製品を持って入るだけで精算が完了し、レジ待ちの低減や人員効率の改善などを実現できる。
次ページでは、これらを実現したWiliotのバッテリーレスのBluetoothタグ技術についてもう少し詳しく見ていこう。
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