村田製作所は「第20回自動認識総合展」において、これまでも提案してきたUHF帯RFIDタグに加えて、リーダーで読み取ったデータを基幹システムで利用できるようにする「RFIDミドルウェア」や、収集したデータの見える化を行うクラウドベースの「BIダッシュボード」などを展示した。
村田製作所は、「第20回自動認識総合展」(2018年9月12〜14日、東京ビッグサイト)において、これまでも提案してきたUHF帯RFIDタグに加えて、RFIDリーダーで読み取ったデータを基幹システムで利用できるようにする「RFIDミドルウェア」や、収集したデータの見える化を行うクラウドベースの「BIダッシュボード」などを展示した。
電子部品大手として知られる村田製作所はこれまで、RFID関連の商材としてはRFIDタグのみを展開していた。しかし、2017年6月にイタリアのRFID関連システムインテグレーターであるID-Solutionsを買収。既に欧州内で多くの採用実績があるRFIDミドルウェアなどのID-Solutionsソフトウェア製品と、村田製作所のRFIDタグを組み合わせるとともに、顧客現場への導入の初期コンサルティングまでをも含めた“RFIDソリューション”のベンダーへと事業方針を転換している。
2018年夏から、国内でもRFIDソリューションを提供する体制が整った。今回の自動認識総合展はそのお披露目になる。国内で初となる、医療分野のトレーサビリティーでの採用も決まった。なお、同社のRFIDソリューションの特徴は「無線やアンテナの専門家として、RFIDの確実な読み取りを行える環境構築の事前検証をしっかりやれるところになる。さまざまなRFIDタグ、RFIDリーダーからのデータと基幹システムで扱えるようにするRFIDミドルウェアの使い勝手も良い」(村田製作所の説明員)という。
また、ID-Solutionsが欧州で展開しているRFIDソリューションの1つである「グレーマーケット対策」の展示も行った。イタリアをはじめ欧州発のさまざまなブランド品は、正規の販売店などを通して購入するのが一般的だが、Eコマースなど流通経路の拡大に合わせて、非正規の業者が販売するグレーマーケットが広がっている。
従来はブランド側からグレーマーケットで販売される製品のルートを特定することは難しかった。しかし、製品にシリアルナンバーを登録したRFIDタグを埋め込んでおくことによりルート確定が可能になった。
展示では、サングラスや指輪、時計、バッグといったブランド品をイメージした製品に埋め込んだRFIDタグを読み取るデモを披露した。RFIDリーダーのアンテナ設計を最適化することで、指輪や時計などの金属物などもきちんと読み取れることが特徴となっている。
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