村田製作所は、「第42回プラントメンテナンスショー」において、工場設備の稼働改善ソリューション「m-FLIP」を展示した。同年9月1日に提供を始める予定で、m-FLIPの販売、導入、サポートはITシステムインテグレーターのSCSKが担当する。
村田製作所は、「第42回 プラントメンテナンスショー」(2018年7月18〜20日、東京ビッグサイト)において、工場設備の稼働改善ソリューション「m-FLIP」を展示した。同年9月1日に提供を始める予定で、m-FLIPの販売、導入、サポートはITシステムインテグレーターのSCSKが担当する。
m-FLIPは、工場内の設備稼働データを収集して設備の非稼働要因を見える化するだけでなく、設備の稼働改善を実現するソリューションである。現状把握(Check)による優先順位の決定、改善立案(Action)による効果の創出、具体策の計画(Plan)、効果を最大化するための実行(Do)という「CAPDoサイクル」を効率的に回していくために、村田製作所が10年以上利用してきた独自の設備稼働分析ソフトウェアと、その導入支援サービスをパッケージ化したものだ。「スマート工場ソリューションはいろいろと提案されているが、m-FLIPは見える化にとどまらない改善効果をしっかり上げられる1ストップソリューションになっていることが最大の特徴だ」(村田製作所の説明員)という。
システム構成は、PLCなどを操作するタッチパネルで作業情報を入力できるようにするミドルウェア「m-FLIP IF」、設備稼働や生産情報のアンドン、分析レポートなどBI情報を表示するソフトウェア「m-FLIP UX」などから成る。SCSKは、2015年ごろからm-FLIPのソリューション開発に関わっており、ITシステムインテグレーターとしての経験を生かして、顧客の現場への導入をスムーズに進めるとともに保守やサポートも担当する。
m-FLIPの採用実績としては、大垣村田製作所(岐阜県大垣市)の導入事例がある。導入して設備稼働率で5%の改善効果があり、3カ月後には20%まで効果が拡大したという。「大垣村田製作所は、村田製作所の工場としてさまざまな改善施策を実施している。その上で得られたのがこの改善効果の数字だ」(同説明員)。なお、m-FLIPの導入期間は1カ月程度を想定している。価格は非公開。
村田製作所の展示では、独自のBluetooth Low Energy(BLE)メッシュネットワークを用いた屋内測位システム「OWLiQ tracking」も展示していた。
OWLiQ trackingは、BLEタグ、BLE受信機、ゲートウェイ、屋内測位に用いるクラウド「SyClod」から成る。工場内の人やモノにBLEタグを取り付けることで、作業員の導線分析や、モノの所在の把握を容易に行えるようになる。GEヘルスケア・ジャパンの日野工場(東京都日野市)や、村田製作所の社内工場で実証実験を積み重ねており、3〜10分かかっていた台車を探す時間を1.5分に短縮する効果などが得られている。
OWLiQ trackingの価格は非公開だが、BLEタグ5個、BLE受信機10個、PCベースのゲートウェイ、SyClodの利用権2カ月分と技術サポートをセットにした評価キットを19万8000円で販売している。
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