GEのスマート工場「Brilliant Factory」において、世界に7つあるショーケースサイトの1つになっているのがGEヘルスケア・ジャパンの日野工場だ。30年以上の歴史を持つ日野工場のスマート化は、ロボットやAIが活躍する近未来の工場ではなく、デジタルと人の織りなす改善によって実現されている。
製造業のIoT(モノのインターネット)活用に注目が集まる中で、先進的な取り組みを進めている企業として真っ先に挙げられるのがGE(General Electric)だ。航空機エンジンのモニタリングサービスが代表例になるが、その他にも産業用IoTプラットフォーム「PREDIX」をはじめ急速な展開を進めている。
そのGEは自社工場のスマート化でも注目されている。デジタル時代の生産性向上を可能にするスマート工場「Brilliant Factory」を、2025年をめどに同社グループの450の工場へ適用していく方針だ。そして、これら450の工場に先行して取り組みを進めている7つのショーケースサイトの1つに選ばれたのが、GEヘルスケア・ジャパンの日野工場(東京都日野市)である。日本のGEから、そしてGEヘルスケアから選ばれたショーケースサイトはこの日野工場だけだ。
GEヘルスケア・ジャパンは2017年8月10日、本社でもある日野工場で記者会見を開催。「Applied Intelligence(アプライド インテリジェンス)医療データ分析サービス」を発表するとともに(関連記事:医師や看護師の改善に向けた熱意を生み出す、GEの医療データ分析サービス)、記者向けに工場を公開した。
会見では、GEヘルスケア・ジャパン 製造本部本部長 工場長を務める藤本康三郎氏が登壇し、日野工場の取り組みを説明した。 Brilliant Factoryでは、生産における無駄のなさを示す「リーンマチュリティ(成熟度)」とデジタル化の浸透度を示す「デジタルマチュリティ」という2つの評価軸がある。30年以上の歴史を持つ日野工場は、ショーケースサイトに選定される前からリーンマチュリティが5点満点で4点以上だったものの、デジタルマチュリティは2点以下だった。2016年は、この状態から両評価軸とも4点以上に、2017年は4.5点以上の達成を目指している。「一度高得点になったからといって、その点数を維持できるわけではない。常に改善が必要だ」(藤本氏)という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.