ウォンテッドリーが「コロナ禍における転職、働き方」に関する調査結果を発表した。転職者が「直近の転職において重視したこと」の1位は「仕事内容のやりがい」で、4位「給与水準」の1.5倍の回答数となった。
ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリーは2021年4月22日、「コロナ禍における転職、働き方」に関する調査結果を発表した。
調査対象者は、ビジネスSNS「Wantedly」のユーザーで、1年以内つまりコロナ禍の中で転職をした267人。まず、「直近の転職において重視したこと」を尋ねたところ、「仕事内容のやりがい」(60%)が最も多かった。2位は「自己成長性」(52%)、3位は「勤務形態の柔軟性」(42%)、4位は「給与水準」(41%)、5位「カルチャーマッチ」(40%)となっている。1位の「仕事内容のやりがい」は、4位「給与水準」の1.5倍の回答数となった。
「直近の転職において重視したこと」を年収別に見ると、「仕事内容のやりがい」「給与水準」といった項目では、年収の増大に応じた増大傾向があった。一方、「福利厚生」は、年収が多い層ほど重視しない減少傾向が見られた。
また、「直近の転職において重視したこと」を転職回数別に見ると、転職回数が増すごとに「仕事内容のやりがい」やリモートワークなどの「勤務形態の柔軟性」、「福利厚生」を重視する傾向があった。
続いて、「直近の転職を考え始めた理由」を尋ねたところ、「働き方に関する意識の変化」と「スキルに関する意識の変化」が同率1位となった(37%)。次が「コロナによる会社の業績不安」(16%)、「給与に関する意識の変化」(10%)という結果だった。
「副業意欲」に関しては、「副業をやりたくない」という回答は、全体の2%とわずかだった。「(副業を)現在行っている」割合を見ると、全体の34%に対して「年収801〜900万円」の層は75%と、倍以上を占めていた。
「副業に対して最も求めること」は、1位が「給与水準」と「自己成長性」(同率26%)だった。3位は「勤務形態の柔軟性」(21%)、4位は「仕事内容のやりがい」(18%)となっている。1位の「給与水準」と4位の「仕事内容のやりがい」は、「直近の転職において重視したこと」と結果が逆転している。「自己成長性」と「勤務形態の柔軟性」は、「重視したこと」と同様に、トップ3に入っている。
「副業の探し方」についても尋ねた。最も多かったのは「知人の紹介」(57%)で、2位「Wantedly」(25%)の倍以上となっている。
「直近の転職において重視したこと」の1位が「仕事内容へのやりがい」だったことについて、同社では2点の要因を挙げている。
1点目は、仕事の意義を重視する価値観を持つ、ミレニアル以降の世代が台頭してきていることだ。ミレニアル世代以降の労働人口は2020年は約40%だが、2025年には過半数に達する見込みだという。
2点目は、企業の存在意義や理念を「WHY」とした場合、「HOW」「WHAT」にあたる働き方や事業内容などが、コロナ禍の中で大きく変化した点だ。「HOW」と「WHAT」が劇的に変化してしまう状況下で転職先を考えるにあたり、その会社が目指すもの、普遍的な「WHY」に共感できるか、やりがいを感じられるかを重視した結果と分析している。
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