60%が生成AIを業務で利用、そのうち85%が「人に頼らずAIでいいや」キャリアニュース

コーレが「2025年最新・企業の生成AIの利用実態」に関する調査結果を発表した。生成AIを業務で利用「している」と60.7%が回答し、そのうち85.2%が「人に頼まなくてもAIでいいや」と思ったことがあると分かった。

» 2025年01月30日 10時30分 公開
[MONOist]

 AI(人工知能)コネクティブカンパニーのコーレは2025年1月21日、「2025年最新・企業の生成AIの利用実態」に関する調査結果を発表した。

 同調査の対象者は、2人以上の企業に所属している管理職やマネージャー層などのビジネスリーダーで、1002人から回答を得た。

 まず、生成AIを業務で利用しているかと尋ねると、60.7%が「している」と回答。多くの企業で、業務での生成AIの利用が進んでいることがうかがえる。

 以降は、生成AIを業務で「(利用)している」と回答した人に質問した。

 どの部署で生成AIを利用しているかについては、1位が「システム開発・ITサポート」(38.2%)、2位が「マーケティング・広報」(33.6%)、3位が「営業」(30.9%)となった。

 続いて、どのような業務に生成AIを利用しているか尋ねたところ、1位は「文書作成」(47.7%)で、2位が「情報収集・リサーチ・分析」(40.6%)、3位が「設計・デザイン・画像・動画作成」(30.3%)だった。

キャプション どの部署で生成AIを利用しているか、どのような業務に生成AIを利用しているか[クリックで拡大] 出所:コーレ

 「利用している生成AI」は、「ChatGPT」が最多で62.7%を占めた。次が「Microsoft Copilot」(28.3%)、「Gemini」(24.5%)となった。

 業務で生成AIを利用するための知識をどのように得ているかという質問では、「業務での実践」(54.0%)が最も多かった。次いで「インターネット検索」(40.1%)、「オンライン学習プラットフォーム」(29.0%)となっている。

キャプション 利用している生成AIは何か、業務で生成AIを利用するための知識をどのように得ているか[クリックで拡大] 出所:コーレ

 生成AIを業務に導入したメリットは、「業務の効率化」(52.3%)が最も多かった。2位が「品質や精度の向上」(33.7%)、「人件費や運用コストの削減」(30.4%)となっている。

 生成AIを業務に導入したメリットを金額に換算して、トータルでどれくらいの効果を実感したか尋ねたところ、「500万〜1000万円未満」(25.8%)が最も多かった。次いで「100万〜500万円未満」(20.6%)となっている。

キャプション 生成AIを業務に導入したメリットを金額に換算すると、トータルでどれくらいの効果を実感したか[クリックで拡大] 出所:コーレ

生成AIを使いこなせるようになったら「人員削減したい」が83.7%

 最近「AIでいいや(人間に頼まなくていいや)」と思ったことはどれくらいあるか尋ねたところ、全体では「とてもある」が28.6%、「ややある」が56.6%となり、85.2%が人に頼まなくてもAIで充分と思ったことがあると分かった。

 業種別に見ると、「とてもある」が30%以上だったのは、「エネルギー・インフラ」(52.0%)、「公的機関・非営利団体」(40.0%)、「運輸・物流」(30.0%)だった。

 また、「医療・ヘルスケア」「不動産・建設」「サービス業」「小売・卸売」は「まったくない」を回答した割合が他の業種より多かった。業種によってAIには任せられない、人間の関与が不可欠な業務があるようだ。

キャプション 最近「AIでいいや」と思ったことはどれくらいあるか[クリックで拡大] 出所:コーレ

 次に「あなたの管轄部門で今以上に生成AIを使いこなせるようになったら、人員を削減したいと思いますか」と尋ねた。その結果、全体では「とてもそう思う」が31.6%、「ややそう思う」が52.1%となり、83.7%が人員削減を検討すると回答した。

 業種別に見ると、「とてもそう思う」が35%以上の業種は、「運輸・物流」(36.7%)、「不動産・建設」(36.6%)、「エネルギー・インフラ」(36.0%)だった。

キャプション あなたの管轄部門で今以上に生成AIを使いこなせるようになったら、人員を削減したいと思うか[クリックで拡大] 出所:コーレ

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