東北大学は、ショウジョウバエモデルにおいて、アルコールを反復摂取すると報酬伝達物質であるドーパミン受容体の量が増えること、またドーパミン受容体の増大がさらなるアルコール摂取を促進することを発見した。
東北大学は2021年2月18日、ショウジョウバエ(ハエ)モデルにおいて、アルコールを反復摂取すると報酬伝達物質であるドーパミン受容体の量が増えること、ドーパミン受容体の増大がさらなるアルコール摂取を促進することを発見したと発表した。
ハエにアルコールを自由に繰り返し飲ませると、アルコールを飲まなかったハエと比べて、脳内で快楽を伝達する物質のD1ドーパミン受容体の量が増えた。また、人工的にD1ドーパミンを増やしたハエは、通常のハエに比べて異常な量のアルコールを飲むようになった。これらの結果から、アルコール摂取の増大を防ぐには、ドーパミン放出の阻害やD1ドーパミン受容体遺伝子の破壊が効果的であることが示唆された。
多くの哺乳類にとってアルコールは毒となる一方で、人間は例外的にアルコールを好む。しかし、飲み過ぎが習慣化すると飲酒量をコントロールできずにアルコール依存症発症へとつながる。D1ドーパミン受容体はエサの匂いの記憶など脳の高次機能に重要であることが知られているが、今回の研究で、多すぎるとアルコール摂取増大のリスクになることが明らかとなった。
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