NTTドコモは、皮膚から放出される複数種類のガスのうち、脂肪代謝・飲酒・脱水の指標となる3種類のガスを足裏から同時に計測できる健康管理装置を開発した。体重計に乗る感覚で手軽に計測ができ、効果的なダイエットや健康管理に役立つ。
NTTドコモは2016年7月20日、皮膚から放出される複数種類のガス(皮膚ガス)のうち、脂肪代謝・飲酒・脱水の指標となる3種類のガスを足裏から同時に計測できる健康管理装置を、世界で初めて開発したと発表した。
今回開発した装置は、脂肪代謝の指標となるアセトンのほか、飲酒の指標となるエタノール、脱水の指標となる水蒸気の3種類を同時に計測することができる。
アセトンは体脂肪の分解・燃焼に伴って放出される代謝産物だ。そのため、体重と同時に計測することで、減量が体脂肪の減少によるものなのかどうかをより正確に特定できる。このように、脂肪代謝の「見える化」によって効率的なダイエットができるようになることで、生活習慣病の元となる肥満の解消・予防につながることが期待される。
また、アセトンの放出量が異常に多い場合は、過度なダイエットの可能性があるため、そのようなダイエットの注意喚起につながるほか、糖尿病患者や妊婦に発症するケトアシドーシスの早期発見にも役立つ。
さらに、エタノールや水蒸気の計測結果から、酒気帯びの有無や水分補給の要否を判定し、健康管理に向けたアドバイスをすることも可能だ。
利用者は、体重計に乗るという家庭での日常的な動作の一環として、手軽に計測ができる。同装置には片足につき2カ所の孔があいており、その孔を足裏でふさぐことで、上記3つの皮膚ガス成分を、約20秒間で同時に計測する。測定値に基づき、体脂肪の燃焼状態、飲酒や脱水の有無に対する判定結果が、スマートフォンやタブレットに送信される。
同装置は、靴下やストッキングをはいた状態でも計測が可能だ。サイズは縦30×横30×厚さ3.5cm、重量は1.7kgとなっている。
同社は今後、同装置による実証実験を進め、健康管理装置としての有用性を確認するとしている。
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